■NASAの宇宙ドリンクに若返り効果、肌の自己修復力アップ ― 2012年06月18日
AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2012/06/03
5月28日の週に米ニューヨーク市の日刊紙Daily Newsや各メディアが報じたところによれば、宇宙飛行士を放射線によるダメージから守るために米航空宇宙局(NASA)が開発した「宇宙ドリンク・AS10」に肌の若返り効果があるという。
ユタ大学(University of Utah)のアーロン・バースン(Aaron Barson)博士らの研究チームが行った実験では、被験者180人にAS10を4ヵ月にわたり約60mL/日ずつ飲んでもらったところ、紫外線による顔のシミは30%、更に皺についても17%の減少がみられたという。
「AS10」には、クプアス・アサイ・アセロラ・ウチワサボテンの実・ヤマモモといったフルーツに加え、緑茶やザクロジュースが含まれており、抗酸化作用が高いという。但し、25オンス(約740mL)入りボトル1本当たり約50ドル(約3,900円)と少々値が張るのが難点。1日に2オンス強(約60mL)を服用した今回の実験では、4ヵ月間で計470ドル弱(約36,000円)がかかった。
肌は最初に紫外線にさらされる部位で、酸化ストレスに弱い。「AS10」を飲むことにより、酸化ストレスの影響を受けた肌の素早い自己修復が可能になる。
前年、米専門誌「Radiation Research(放射線研究)」に掲載された、AS10に含まれる活性化合物に関するマウス実験では、高レベルの放射線に晒されたマウスにAS10を与えたところ、250日後の生存率が80%に達し、AS10を与えられていないマウスの250日後の生存率30%を大きく上回ったという。
■高血糖、高まるがんリスク…有害な活性酸素が過剰に ― 2011年08月20日
九州大学の大学院医学研究院医師、平川洋一郎氏らの研究に依れば、糖尿病ではなくても血糖値が高い人は、がんで死亡する確率が高まることが判ったと云う。調査は、福岡県久山町に住む男女約2,400人を対象に、1988年に40~79歳でがんでない人を選び、空腹時と食後2時間の血糖値の検査結果により4グループに分け、2007年の19年間調査した結果、229人が、がんで死亡した。
空腹時血糖が100(単位はmg/dL)未満の人が、がんで死亡する危険度を1とした場合、糖尿病が強く疑われる126 mg/dL以上では2.1倍、糖尿病ではないが高め(110~125mg/dL)では、1.9倍高かった。
食後血糖についても、120mg/dL未満の人の危険度を1とすると、糖尿病が強く疑われる200mg/dL以上では2倍、高め(140~199mg/dL)の人は、1.4倍だった。がんの種類別では、空腹時血糖が100mg/dL以上の人は、それ未満の人より胃がんで死亡する危険度が2.1倍、食後血糖が140mg/dL以上の人は、それ未満の人に比べ、肺がんが2倍、肝臓がんが2.7倍高かった。その他のがんは明確な差はみられなかったというもの。
血糖値が高いと、がんの発症が増えるのは、細胞内で余分なブドウ糖を代謝しようとする働きが強くなり、有害な活性酸素が過剰に増えること等により、細胞の遺伝子を傷つけ、がん化させるためと考えられ、また、血糖値を下げるホルモンのインスリンは、細胞を増殖させるため、正常な細胞と共にがん細胞も増やし、がんの進行が早まるためと推測される。
■長寿のためにはαカロテンを多く含む果物、野菜の摂取が望ましい ― 2010年12月04日
医学誌「Archives of Internal Medicine(内科学)」オンライン版11月22日に掲載された、米国疾病管理予防センター(CDC)のChaoyang Li博士らの研究によると、生活習慣・人口統計学的特徴または全般的な健康リスクに関わらず、カロチノイドの一種であるαカロテンの血中濃度が高い人は、生命にかかわる疾患リスクが低いことが判明したという。αカロテンおよびβカロテンは共に、身体内でビタミンAに変換され、その過程でβカロテンの効果が高いと考えられているが、今回の研究では細胞のDNAを防御する上ではαカロテンの方が重要な役割を演じているという。
今回の知見は、果物や野菜を多く摂取すれば早期死亡リスクの低減に有用であるのだが、αカロテンだけを摂取しようとするのではなく、食物から摂取するべきであると、研究者は指摘している。
≪αカロテンを豊富に含む食品≫:
ニンジン、サツマイモ、カボチャおよび冬カボチャ(winter squash)、マンゴーおよびメロンなどの黄色や橙色の食物のほか、ブロッコリー、サヤインゲン、グリーンピース、ホウレンソウ、カブラナ、コラード、ケール、メキャベツ、キウィ、レタスなどの濃緑色野菜。
▼原文: Eat Your Fruits & Veggies for Longer Life
■ビーチパラソル利用に思わぬ落とし穴、紫外線の34%が「素通り」 ― 2010年07月25日
AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/07/22
スペイン・バレンシア大(University of Valencia)の研究チームが、医学誌「Photochemistry and Photobiology(光化学と光生物学)」の7/19の週に出版された号に発表したところによれば、ビーチパラソルでは、皮膚がんや白内障などの原因になる太陽の紫外線を期待するほど防げないという。半径80cm、高さ1.5mの青と白で塗られたキャンバス地のビーチパラソルの下に、紫外線センサーを置いて測定した結果、太陽からの直接放射はほぼ全てが遮断できていたが、横から侵入する拡散放射(全紫外線の34%に相当する)には無防備であることが判ったという。
このことより、ビーチパラソルの下に隠れる際にも、日焼け止めや帽子、衣服などで紫外線対策は必要のようだ。
■コーヒー 身近にポリフェノール摂取 ― 2010年02月14日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2010/02/13
悪玉コレステロールの酸化を抑制身近な飲料からポリフェノールを沢山摂ることが出来るものとして、コーヒーがある。
■心疾患死亡率と関係
ポリフェノールは、植物に含まれる抗酸化成分。仏人は肉類や脂肪の摂取量が多いのに、心疾患の死亡率が低い理由として、赤ワインに含まれるブドウ由来のポリフェノールの摂取量が多いことが挙げられており、「フレンチパラドックス」と云われる。
高齢者を10年間追跡したオランダの試験研究では、ポリフェノールの摂取量が多い人(29.9mg/日以上)は、少ない人(19mg/日以下)に比べ、心疾患の死亡率が低かったという報告もあり、この試験では紅茶からのポリフェノール摂取量が多かった。■日本茶の2倍の量
近藤和雄・お茶の水女子大教授らは、約9000人を対象に、飲料別のポリフェノール摂取量を調べた結果、1日に摂取する飲料の平均摂取量(アルコールを除く)は、日本茶やコーヒーなど計約1.1リットル。これらの全飲料をポリフェノール総摂取量に換算したところ、約850mg/日のポリフェノールを摂取しており、その約8割を飲料から摂っていることも分かった。このポリフェノールの摂取量は、飲料別では、コーヒーから約半分を占め、次いで日本茶、紅茶、中国茶の順に摂取していた。飲料自体の摂取量は日本茶が一番多かったが、ポリフェノールの摂取量では、コーヒーが1番多かった。
100ミリリットルあたりに含まれるポリフェノール量は、日本茶が約100mg、コーヒーは約200mgと、濃度は赤ワインと同程度だ。
ポリフェノールは、緑茶・紅茶・ココアなどにも含まれるが、コーヒーだと1杯(約150ミリリットル)で約300mgのポリフェノールが摂取できることになる。■1日に1000mg程度は摂りたい
近藤教授は、赤ワインを飲むと悪玉コレステロールが酸化されるのにかかる時間が長くなることを、人の血液中の悪玉コレステロールを使って確かめた。このことから推定し、「コーヒーを飲んでも、赤ワインと同じような抗酸化作用期待できる」という。
1日当たりのポリフェノールの摂取量は、今のところ科学的な適正量は分かっていないが、近藤教授は「1000~1500mgが妥当では」と推定する。■糖尿病の発症率低く
コーヒーと健康の関係について、糖尿病の発症率との関連では、世界の複数の研究結果でコーヒーを沢山飲む人ほど発症率が低いとの結果が出ている。又米国の研究では、看護師を対象にした追跡調査で、コーヒーの摂取量が多いほど自殺率が低く、肝臓がんのリスクを下げるとの報告もある。
■たらみ、抗酸化力の指標“ORAC値”を表示した野菜と果物のゼリーを発売 ― 2010年01月04日
フルーツゼリー製造の「たらみ」(長崎市)は、老化の原因となる活性酸素を消す、抗酸化力を表示した野菜と果物のゼリー「ベジフルPlus」を、12月7日に発売した。「ベジフルPlus」は、9種類の野菜と3種類の果物をブレンドしたゼリーに、果肉とナタデココを加えたもの。トマトベースの野菜ゼリーにグレープフルーツの果肉を入れた「赤のミックス」、ニンジンベースのゼリーにパイナップル果肉を入れた「橙のミックス」、カボチャベースのゼリーに白桃果肉を入れた「黄のミックス」の3種類がある。各158g・147円。
特徴は、原材料の野菜や果物に含まれる抗酸化成分による抗酸化力を数値化し、パッケージに表示している。
米国農務省と米国立老化研究所の研究者らが開発した活性酸素吸収能力(Oxygen Radical Absorbance Capacity=ORAC)という評価方法を用いた数値を採用しており、各商品のORAC値は、「赤のミックス」が2000、「橙のミックス」が1500、「黄のミックス」が1000となっている。
厚生労働省による1日当たりの野菜と果物の推奨量に相当するORAC値は、4700。
■水素入りの水はパーキンソン病防ぐ? マウス実験で効果 ― 2009年11月01日
九州大やパナソニック電工の研究グループが、30日付の米科学誌プロスワンに発表したところによれば、水素を含んだ水を飲むとパーキンソン病などの予防や治療につながる可能性があることマウスを使った実験で確認したという。九大の野田百美(まみ)准教授らのグループは、マウスに薬を投与して、パーキンソン病患者に見られる症状と同様に脳の神経細胞を破壊させる一方、前もって水素をわずかに含んだ水を飲ませた結果、水素を0.08ppm含んだ水を1週間飲ませたマウスでは、細胞死の進行が抑えられていたことを確認。薬の投与後から水を飲ませても同じ抑制効果が見られ、活性酸素の量も減っていたという。
■赤ワインの健康効果の機序が明らかに ― 2009年08月09日
オーストラリア、クイーンズランド大学生物医科学部准教授のLindsay Brown氏らが、医学誌「Alcoholism: Clinical & Experimental Research(アルコール中毒症:臨床と実験研究)」オンライン版に6月10日に発表した研究によれば、ワインに含まれる成分の1つ、レスベラトロール(resveratrol)と呼ばれるポリフェノールの体内での作用機序について、癌予防、心臓や脳の損傷からの保護、炎症などの加齢による疾患の軽減、糖尿病および肥満の解消、等々が明らかになったという。Brown氏によると、レスベラトロールが効果を発揮する機序として以下のことが考えられるという:
同大学のStephen Taylor氏によれば、赤ワインを、直ぐに飲み込まず、ゆっくりと口腔内の粘膜を通して吸収させると、血中濃度が100倍になることがあると述べている。
- * 高用量のレスベラトロールは、プログラムされた細胞死(アポトーシス)を増進することにより癌を予防する。
- * 低用量では、細胞保護を増進し、細胞の損傷を減らすことによって心臓の健康状態を改善する。
- * 活性酸素を体内から除去するのを助け、細胞への血液供給を向上させる。
▼原文: Health Secrets of Red Wine Uncovered But for maximum benefits, sip don't gulp, research shows
■ビタミンCは抗がん剤よりも効果が大きい? ― 2009年07月16日
健康増進クリニック院長の水上治氏著『超高濃度ビタミンC点滴療法』(PHP研究所)に紹介されている新しいがん治療について▼辛抱強く投与すれば副作用なくがん細胞を峻別攻撃
ビタミンCに抗がん作用があることは、かなり昔から言われていた。ノーベル化学賞と平和賞を受賞したライナス・ポーリング博士が発表した1976年の論文は、下記のようなもので驚異的だった。
治療不能の進行がん患者100人に、毎日10gのビタミンCを投与し、投与されないがん患者(コントロール群)1000人の生存日数と比較。500日の時点でコントロール群1000人全員が死亡したのに対し、ビタミンC群は11/100人が生存。平均生存日数は、ビタミンC群がコントロール群の4.2倍もあった。最終的に、ビタミンC群はコントロール群に比べ300日以上長く生存した。
というもので、こうした貴重な事実が世界に浸透しなかったのは、米国のメイヨー医科大学が「効果がない」とする臨床結果を発表した為だった。後年、メイヨー医大の実験には問題点があったことが発覚。ビタミンCの血中濃度を高めるためには「点滴」が必要だったにも関わらず「内服」で行われていたというものだった。▼過酸化水素ががん細胞を殺す
なぜ、ビタミンCががん細胞を殺すのか? ビタミンCは抗酸化物質だが、自分が酸化されるプロセスの中で過酸化水素を大量に発生し、これががん細胞を殺傷することが分かってきた。
正常細胞にはカタラーゼという酵素が存在し、過酸化水素を水と酸素に分解してしまうので、全く害を受けないのに対して、がん細胞はこの酵素が少ないので、過酸化水素によって殺傷される。こうした理由から、正常細胞を傷つけずに、ガン細胞だけを殺傷するという、非常に優れた特徴を持つことになる。
抗がん剤がのような副作用を伴わずに、がん細胞だけを殺傷する「ビタミンC」は、抗がん作用、免疫力の増強、そして活性酸素を抑えるという働きによって、再発・転移予防の能力に優れている。▼血中の濃度を高めることが重要
「超高濃度ビタミンC点滴療法」で、重要なことは、血中のビタミンC濃度を目標数値まで上げること。血中濃度を350~400mg/dL以上を維持するように点滴量を調整する。
治療の難点は、効果が出る速度が遅いこと。25~30回の点滴で効果が出てくることが多いので、待ちきれずに途中で中止してしまうケースもあるという。また点滴中のみビタミンC濃度を上げるが、終了後急速にゼロに近づくので、次の点滴までの期間が長いとがん細胞が増殖し易くなるので、頻度を多くすることが大事である。
この治療を控える必要がある人は、腎不全、G6PD異常症の方。腹水、胸水、むくみがある人は、要注意だ。この治療法を実施している病院は、現在全国で300ほどで、詳細は『MR21点滴療法研究会』(http://www.iv-therapy.jp/)を参照。
■緑茶やオリーブ油の抗酸化作用は保存期間の長さに伴って消失 ― 2009年04月12日
科学誌「Journal of Food Science(食品科学)」3月号に掲載された研究報告によれば、抗酸化物質が豊富に含まれる市販の緑茶およびオリーブ油の抗酸化作用は、保存期間に伴って減少していくことが2つの新しい研究で示された。第1の研究は、米国農務省(USDA)西部地域研究センター(カリフォルニア州)のMendel Friedman氏らが、長期保存によるカテキンの持続性を検証。米国、韓国および日本で市販されている8種類のティーバッグの緑茶を元の包装のまま20℃の暗い室内で1週間~6カ月にわたり保存し、その後、茶葉を粉砕して熱湯に入れた後、冷まして分析を行った。
その結果、保存期間の早い段階から抗酸化物質の減少がみられ、6カ月後には8種類の緑茶のいずれもカテキン濃度が急激に減少した(平均32%)。最も多く含まれるカテキン類であるエピガロカテキンガレート(EGCG)は6カ月後には28%、次いで多く含まれるエピカテキンガレート(ECG)は51%減少することがわかったという。第2の研究は、伊、Foggia大学のAntonella Baiano氏らが、含有するフェノール化合物が抗酸化物質として作用し、心疾患・脳卒中・ある種の癌のリスクを低下させるといわれているエクストラ・バージンと呼ばれるオリーブ油に着目したもの。
アプーリアApulia地区の2箇所の果樹園でオリーブ収穫後24時間以内に製造された数種類のエクストラ・バージン・オリーブ油について製造、包装の過程を通じて分析した結果、3カ月までの保存では抗酸化作用に変化はみられなかったが、6カ月後にはほとんどのオリーブ油で抗酸化作用が40%低下することがわかった。オリーブ油を保存するには、色付きの小さめのガラス瓶で、室温 20~25℃の暗所に保存するのが理想だという。
▼原文: Antioxidant-Rich Foods Lose Nutritional Luster Over Time
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