■帯状疱疹が脳卒中リスクを増大させる ― 2009年11月14日
台北医学大学Taipei Medical University病院のJiunn-Horng Kang博士らが、医学誌「Stroke(脳卒中)」オンライン版に10月8日版に発表したところによれば、帯状疱疹(帯状ヘルペス)に罹患した成人は脳卒中リスクが高く、特に眼の周辺に発症した場合は注意が必要であるという。帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)よって生じる痛みのある発疹で、ウイルスにより水痘を引き起こすが、治癒した後も体内に残り、再活性化して帯状疱疹の原因となる。
Kang氏らは、1997~2001年に帯状疱疹の治療を受けた台湾の成人7,760人のデータを検討。治療から1年以内に133人(1.7%)が脳卒中を発症したのに対し、帯状疱疹の治療を受けていない対照群23,280人での発症率は1.3%(306人)であった。
データ分析の結果、帯状疱疹群では1年以内の脳卒中発症率が31%高く、眼の周辺に発疹が出た場合は脳卒中の発症率が劇的に高く、対照群の4.3倍であった。脳卒中には血栓により脳動脈が閉塞される虚血性脳卒中と、血管の破裂による出血性脳卒中があるが、帯状疱疹群の虚血性脳卒中は31%高く、出血性脳卒中は2.79倍高かった。帯状疱疹ウイルス(herpes zoster virus)により脳への血管が閉塞または破裂する血管損傷が誘発されることにより脳卒中が発生すると考えられるという。
▼原文: Shingles Raises Stroke Risk: Study
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