■高血糖、高まるがんリスク…有害な活性酸素が過剰に ― 2011年08月20日

九州大学の大学院医学研究院医師、平川洋一郎氏らの研究に依れば、糖尿病ではなくても血糖値が高い人は、がんで死亡する確率が高まることが判ったと云う。調査は、福岡県久山町に住む男女約2,400人を対象に、1988年に40~79歳でがんでない人を選び、空腹時と食後2時間の血糖値の検査結果により4グループに分け、2007年の19年間調査した結果、229人が、がんで死亡した。
空腹時血糖が100(単位はmg/dL)未満の人が、がんで死亡する危険度を1とした場合、糖尿病が強く疑われる126 mg/dL以上では2.1倍、糖尿病ではないが高め(110~125mg/dL)では、1.9倍高かった。
食後血糖についても、120mg/dL未満の人の危険度を1とすると、糖尿病が強く疑われる200mg/dL以上では2倍、高め(140~199mg/dL)の人は、1.4倍だった。がんの種類別では、空腹時血糖が100mg/dL以上の人は、それ未満の人より胃がんで死亡する危険度が2.1倍、食後血糖が140mg/dL以上の人は、それ未満の人に比べ、肺がんが2倍、肝臓がんが2.7倍高かった。その他のがんは明確な差はみられなかったというもの。
血糖値が高いと、がんの発症が増えるのは、細胞内で余分なブドウ糖を代謝しようとする働きが強くなり、有害な活性酸素が過剰に増えること等により、細胞の遺伝子を傷つけ、がん化させるためと考えられ、また、血糖値を下げるホルモンのインスリンは、細胞を増殖させるため、正常な細胞と共にがん細胞も増やし、がんの進行が早まるためと推測される。
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