■イミダペプチド 疲れ予防、回復に効果的 ― 2009年03月31日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2009/03/22
疲労の研究に取り組む理化学研究所分子イメージング科学研究センターの渡辺恭良・大阪市立大大学院医学研究科教授(58)への、疲労の仕組みと抗疲労物質としてのアミノ酸結合体「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」の効果についてのインタービュー記事。抗疲労物質としての「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」について
渡辺教授によれば、疲労とは体が本来持っている神経・免疫・内分泌系の3者による恒常性が破綻・低下した状態で、その結果、作業能力の低下などが引き起こされる状態という。
過労となると、ストレスや過度の身体活動で活性酸素が大量発生してバランスが崩れ、身体が持つ恒常性だけでは十分に対応できなくなり、その結果、細胞の機能が低下し、作業効率の低下などが起こる。酸化ストレス状態の発生を抑えることが疲労を軽減する。活性酸素の除去に役立つ「抗酸化物質」として有望視されるのが「イミダペプチド」だ。
この「イミダペプチド」は、カルノシンとアンセリンという二つのアミノ酸結合体の総称。人の体にも存在するが、渡り鳥やマグロ、カツオなど、長時間連続した運動を必要とする生物の骨格筋中に多く含まれる。「イミダペプチド」の抗疲労効果は、臨床実験でも明らかで、日頃から疲労を自覚している207人を対象にした実験でも、イミダペプチド200mgを毎日摂取した群では、プラセボ群よりも疲労感が軽減され、このほか、酸化ストレスの上昇を抑制し、自律神経機能の乱れを調整する作用も確認された。激しい運動後の疲労だけでなく、日常生活で感じる疲労軽減にも効果があるという。
渡辺教授によれば、「疲労を和らげる概念は二つ。一つは疲れる状態を事前に予防すること。二つ目は、疲れを回復させること。初めから疲労を抑えれば治りも早い、予防に重点を置くほうが効率的。その点から考えても、「イミダペプチド」は疲労予防的な働きをするため効果的な物質」という。
1日200mg、鶏胸肉から摂取
イミダペプチドは、鶏胸肉からも摂取できる。1日200mg/日 程度の摂取が効果的で、これは鶏胸肉に換算して50g/日程度だ。
■効果が見える新抗がん剤開発<放射線医学総研 ― 2009年02月11日
YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/01/31
放射線医学総研が開発
放射線医学総合研究所(千葉市)の青木伊知男チームリーダーらが、国内未承認の脳腫瘍の抗がん剤に、造影剤を結合した薬剤「SLENU(スレニュー)」を開発し、マウスを使った実験で脳腫瘍の抗がん剤が脳内に運搬される様子を画像で示すことに、世界で初めて成功したという。また、スレニューは、がん細胞が死ぬときに出る活性酸素で性質が変化するため、この薬剤でがん細胞がどれくらい死んだか、治療効果の判定が予測し易くなるため、患者の特性に応じて抗がん剤の投与量を調整する手法の開発につながりそうだ。
■記憶力低下 水素水で抑制 ― 2008年07月27日
YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2008/07/19
日本医大がマウス実験で確認
日本医大の太田成男教授らが、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表したところによれば、水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを、マウス実験で確かめた。ストレスによって記憶力が低下することは知られており、実験内容は、マウスを狭い空間に閉じ込め、餌を与えないなどのストレスを加えた上で、水素が大量に溶け込んだ水と通常の水を飲ませた場合で、記憶力がどの程度違うか、10匹ずつ、3つの方法で6週間かけて比較した結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった。
記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。
■ローズマリーにアルツハイマー予防効果 岩手大など発表 ― 2007年11月24日
岩手大の佐藤拓己准教授(神経工学)らの日米合同研究チームが、22日発表したところによれば、ハーブのローズマリーに多く含まれるカルノシン酸に、脳の神経細胞が細胞死するのを防ぐ効果があることを、マウスを使った実験で確認したという。実験は、マウスの右脳の動脈をクリップで2時間閉じて人工的に脳の神経細胞が死ぬ状況を作った。カルノシン酸を事前に注射したマウスとしないマウス各9匹で、24時間後に脳の変化を比べたところ、注射しなかったマウスは右脳の52%が壊死していたが、注射したマウスでは壊死部分が34%にとどまり、カルノシン酸に強い脳細胞保護効果があることを実証した。
カルノシン酸が細胞死を抑える遺伝子を活性化することも解明し、認知症など脳神経細胞の細胞死に関連する病気の予防や治療に応用できる可能性を示した。
■果物多く食べる人 脳卒中と心筋梗塞2割減 ― 2007年11月17日
YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/11/09
厚生労働省研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)が1995年と98年、茨城県と新潟県などで、45~74歳の男女約8万人を対象に、食習慣に関するアンケート調査を実施し、野菜と果物の1日当たりの摂取量を基に4グループに分け、2002年までの追跡調査で、がんや脳卒中、心筋梗塞を発症した人の割合を比較した結果、果物を食べる量が最も多いグループ(平均約280g/日摂取)は最も少ないグループ(同約35g/日)に比べ、脳卒中や心筋梗塞などを発症する危険性が19%下がるなど、果物を食べる量が多いグループほど、発症する人の割合が減る傾向が見られたという。280gは大きめのリンゴ1個、35gはミカン半分にあたる。 果物に含まれるカリウムや抗酸化物質は、血圧を下げたり動脈硬化を予防したりする働きがあるためと分析される。
■抗酸化物質に加齢黄斑変性の予防効果なし ― 2007年11月14日
Nikkei Medical Online HOT NEWS 2007/10/25
オーストラリアMelbourne大学のElaine W-T Chong氏らが、BMJ誌2007年10月13日号に発表したところによれば、食品、サプリメントのいずれを摂取しても加齢黄斑変性症(AMD)の1次予防は期待できないという。過去の大規模な無作為化試験では、早期と進行期の中間にあるAMD患者に高用量の抗酸化サプリメント(ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、βカロチン)を投与すると、進行型AMDになるリスクが28%減少すると報告されていたが、この研究では、1次予防に対する効果は評価されていなかった。
評価の対象となった抗酸化物質は、ビタミンA(3件)、ビタミンC(4件)、ビタミンE(3件)、亜鉛(4件)、ルテインとゼアキサンチン(6件)、αカロチン(4件)、βカロチン(4件)、βクリプトキサンチン(4件)、リコピン(4件)と様々だった。
今回、栄養状態のよい西欧で行われた研究では、サプリメントを含む食品由来の抗酸化物質のAMD予防における効果を示す十分なエビデンスは得られなかった。
・食品の抗酸化力を示す統一基準作りを目指す研究会を発足 ― 2007年04月21日
第一線の研究者と食品・流通企業が研究会を発足
食品が持つ抗酸化力を、一定の指標で示すための基準作りを目指す「Antioxidant Unit 研究会」が4月1日に発足した。名古屋大学大学院生命農学研究科の大澤俊彦教授を理事長に、京都府立医科大学大学院の吉川敏一教授が副理事長に就任。独立行政法人国立健康・栄養研究所の渡邊昌理事長、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所の津志田藤二郎食品機能研究領域長ら、食品の機能性成分研究の第一人者とされる面々が理事を務める。
リコピン、カテキン、アントシアニン、イソフラボンなど、食品に含まれる抗酸化成分には、生活習慣病の予防や改善、美容効果があるということが知られるようになっている。とはいえ、抗酸化力の強さを測る一定の基準がない。
米国農務省と米国立老化研究所の研究者らが開発した活性酸素吸収能力(ORAC)という評価方法を基本に、食品の抗酸化力の統一指標「Antioxidant Unit」の確立を目指す。財団法人食品分析開発センター「SUNATEC」は、2007年1月からORAC Unitの測定を受託している。研究成果については、2007年11月27日から京都市で開催のInternational Conference on Food Factorsで発表される予定。
▼「Antioxidant Unit 研究会」 http://www.antioxidant-unit.com/index.htm
・米原産ボイセンベリーに中皮腫の抑制効果 ― 2007年02月13日
YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/02/05
安達修一・相模女子大助教授(公衆衛生学)の研究グループらによれば、米国原産の果実「ボイセンベリー」ボイセンベリーに含まれるポリフェノールに、アスベスト(石綿)の引き起こすがん「中皮腫」の発症抑制効果があるとラットを使った実験で確認した。
ボイセンベリーは米国やニュージーランドで生産され、そのまま食べたり、ジャムに加工されたりしており、抗酸化成分を特に多く含む。
・フラボノイド:脳神経損傷回復 漢方の桂皮、陳皮に含有 ― 2007年01月22日
毎日新聞・ 暮らし ・ 健康 2007/01/05
東京都老人総合研究所などの共同研究チームがマウスを使った実験で、漢方薬の薬効成分「フラボノイド」に、アルツハイマー病などに伴う脳の神経回路の損傷を回復させる働きがあることを確認した。米神経科学専門誌に近く発表するという。
フラボノイド類の中でも桂皮(けいひ)と陳皮(ちんぴ)に含まれるものが、2種類の遺伝子の働きを高めたという。桂皮と陳皮を含む漢方薬を、髄鞘の破壊が進んだ高齢マウス(2歳半)に2カ月間飲ませたところ、2種類の遺伝子の働きが高まって髄鞘の構造が元に戻り、運動能力も若いマウス(6カ月)と同程度に回復したという。
・オリーブ油、がん予防に有効か 少量で細胞の酸化抑制 ― 2007年01月03日
27日付の英紙デーリー・エクスプレス等が報じたところによれば、毎日少量のオリーブオイルを取れば、がんを患う危険性が少なくなるとの調査結果をデンマーク大学病院の研究グループが明らかにした。
それによると、欧州5カ国の20歳~60歳の健康な男性182人に対し、25mL/日のオリーブオイルを2週間にわたって摂取させた後、細胞酸化の度合いを示す物質の量を調べたところ、摂取前よりも13%も少なくなっていた。
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