■「乳酸菌LS1」の働きにより、被験者約8割で歯周病菌が減少 ― 2012年10月17日
フレンテの事業会社であるフレンテ・インターナショナルが、9月23日に開催された「第55回秋季日本歯周病学会学術大会」にて発表した、東海大学 医学部 感染症研究室 古賀泰裕教授と共同で行われた臨床試験の結果によれば、「乳酸菌LS1」がヒトの口腔内に存在した場合、歯周病菌を減少させる効果があるという。
同社は既に、「乳酸菌LS1」を含む錠菓を服用すると、歯周病菌数が減少することを発表しているが、今回更に研究を進め、同乳酸菌が口腔内に存在した場合の「P.gingivalis菌」(ポルフィロモナス・ジンジバリス菌。歯周病を引き起こす、歯周病菌と言われる菌の一つ)に対する作用について検証したもので、「乳酸菌LS1」及び「キシリトール」・「ハイドロキシアパタイト」(歯を構成する成分でリン酸カルシウムの一種)を配合した錠菓を用いたヒト臨床試験を実施し、歯肉縁下プラーク(歯垢)中に「乳酸菌LS1」が存在するとき、約8割の被験者の「P.gingivalis菌」数が有意に減少するという結果が得られたという。
※)乳酸菌LS1( Lactobacillus salivarius TI2711) は、東海大学医学部感染症研究室 古賀泰裕教授のグループにより健康なヒトの口腔内から分離された乳酸菌である。口腔内の悪玉菌である歯周病原菌を抑制し、口腔内細菌叢を正常化する善玉菌としての働きを持つ。
■睡眠不足は肥満のもと、仏大研究 ― 2012年05月21日
AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2012/05/11
欧州肥満症会議(European Congress on Obesity)で5月10日に発表したされた、リヨン大学(University of Lyon)のカリーン・シュピーゲル(Karine Spiegel)博士率いるチームの論文に依れば、睡眠時間が不十分だと、満腹感をつかさどるホルモンの働きが妨げられ、食欲を刺激するホルモンが分泌されるため空腹感が25%増加することで、肥満につながるという。
研究では、肥満や睡眠時間に関する様々な研究を幅広く調べた結果は、子どもや若年層により当てはまるり、夜の睡眠時間を長くするといった簡単な方法で、慢性的に睡眠不足な若者たちの肥満を防ぐことができるという。
成人の場合、健康的な睡眠時間は7~8時間で、6時間以下は睡眠不足とされ、カロリー換算では、睡眠時間が減るとカロリー摂取量が1日350~500カロリー増える計算になるという。
■0歳時に早期脱毛症の見られる男性は前立腺癌リスクが高い?< ― 2011年03月14日
フランス、ジョルジュ・ポンピドー・ヨーロッパEuropean Georges Pompidou病院(パリ)のPhilippe Giraud博士が、医学誌「Annals of Oncology(腫瘍学)」オンライン版に2月15日に発表した研究によれば、前立腺癌患者は、20歳時に男性型脱毛症の徴候がみられる比率が、非前立腺癌男性の2倍であり、30代・ 40代で脱毛の始まった男性や、20代で始まった男性にはリスクの増大は認められなかったという。今回の研究は、46~84歳で前立腺癌の診断を受けた患者388人及び健康な男性281人を対象に、2年以上にわたり疾患の進行および脱毛のパターンを分析した結果、前立腺癌患者の37人(健康な男性では14人)が、20歳の時点で生え際の後退、頭頂部の脱毛、その両方を含めて、何らかの型の脱毛症を経験していることが判明したもので、20歳時で脱毛がみられた場合は、前立腺癌リスクが2倍であったが、脱毛症の型による差は認められなかったというもの。
▼原文:Could Hair Loss at 20 Signal Higher Prostate Cancer Risk?
■ダイエットで脂肪を減らしたければ十分な睡眠を ― 2010年11月07日
Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/10/21
Ann Intern Med誌10月5日号から米Chicago大学のArlet V. Nedeltcheva氏らが、Ann Intern Med誌2010年10月5日号に発表した研究によれば、摂取カロリーを減らしてメタボ解消を狙う減量挑戦者は、睡眠時間を十分に確保しないと、体重は減っても脂肪は減らないという。
肥満な成人10人を対象にクロスオーバー試験を行い、摂取カロリーを同様に減らしても、睡眠時間8.5時間のグループに比べ、5.5時間に制限したグループでは脂肪の減りが悪く、空腹感も強かったという。
過去に行われた研究では、摂取カロリーを抑えられた状態で睡眠時間が制限されると、空腹感が強まり、食欲増進ホルモンのグレリンの血中濃度が上昇、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの濃度は低下すること、一方、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る状態では、これらホルモンレベルに変化は見られないことが報告されていた。
※)グレリンは、空腹感を引き起こし、体脂肪の利用を抑制して脂肪組織の増大を招く作用を持つ。
クロスオーバー試験を完了したのは10人(男性が7人)。これらの患者の平均年齢は41歳、BMIの平均は27.4、ベースラインの睡眠時間は平均 7.7時間だった。
試験期間中の摂取エネルギーは、8.5時間群が1447kcal/日、5.5時間群が1450kcal/日だった。二重標識水法による消費エネルギーは、夫々2136kcal/日と2139kcal/日。14日間の試験終了時の体重減少は夫々2.9kgと 3.0kgで差はなかった。この結果から、効率良いダイエットを行いたいなら、一定期間睡眠時間が確保できるタイミングを見計らって開始した方がよさそうだと結んでいる。
原題:「Insufficient Sleep Undermines Dietary Efforts to Reduce Adiposity」
■「7時間睡眠」が心疾患リスク遠ざけるカギ、米調査 ― 2010年08月14日
AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/08/02
米ウエストバージニア大(West Virginia University)医学部の研究チームが、睡眠時間と心疾患の関係を調査するため、2005年の成人3万人以上の健康診断のデータを分析した結果を、8月1日の米睡眠専門家協会(APSS)の機関誌「SLEEP(睡眠)」に発表したところによれば、昼寝を含めた1日当たりの睡眠時間が7時間より多くても、少なくても、心疾患リスクを増大させるという。 尚、短すぎる睡眠は狭心症と関連するが、心臓発作は、短すぎる睡眠と長すぎる睡眠の両方に関連するという。昼寝を含めた1日当たりの睡眠時間が5時間未満の人では、狭心症、冠動脈性心疾患、心臓発作と診断されるリスクが2倍以上になったが、一方、睡眠時間が7時間を超える場合も心疾患リスクは上昇し、例えば、1日当たり9時間以上の人は、7時間睡眠の人よりも、心疾患リスクが1.5倍だった。
最もリスクが高かったのは、1日当たり5時間以下で年齢は60歳未満の集団で、1日7時間寝る人に比べ、心疾患リスクは3倍以上という。また1日の睡眠時間が5時間以下の女性では、心疾患リスクは2.5倍以上に跳ね上がるという。
■考えられる理由:
睡眠時間が内分泌腺と代謝機能に影響を及ぼすため、睡眠が短いと耐糖能が損なわれ、インスリン感受性が鈍って血圧が上がる可能性があり、これら全てが動脈を硬化させると考えられるという。
■歯磨きの頻度が少ないほど心血管リスクが上昇 ― 2010年07月03日
Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/06/15
BMJ誌から/スコットランドでの研究結果英University College LondonのCesar de Oliveira氏らが、BMJ誌電子版に2010年5月27日に発表した研究によれば、1日の歯磨きの回数が1回未満の人は、2回の人に比べて心血管イベントリスクが 1.7倍になるという。
分析対象は、Scottish Health Surveyに登録されているデータ。 ここには、スコットランドの一般住民から、3年から5年おきに収集した人口統計学的データと生活習慣に関する情報(喫煙歴、身体活動量、口腔衛生状態など)が登録されている。
追跡期間の平均は8.1年で、その間に555件の心血管イベントが発生。うち心血管死亡は170件だった。
口腔衛生状態不良群(歯磨きが1日1回未満、538人)では、口腔衛生状態良好群(歯磨きが1日2回、8481人)に比べ、心血管イベントリスクが有意に高かった。
尚、血液標本が採取できた4830人について、口腔衛生状態と全身性の炎症マーカーの関係を調べたところ、口腔衛生状態不良群のCRP値の平均は4.18mg/Lで、口腔衛生状態良好群の3.07mg/Lとの差は有意だった。フィブリノーゲン値についても同様で、衛生状態不良群は 2.98g/L、良好群は2.86g/Lだった。様々な交絡因子候補で調整しても、口腔衛生状態不良群の心血管リスク上昇は有意で、衛生不良群には軽度炎症も認められたという。
口腔の衛生状態が、心血管リスク上昇を直接引き起こすのか、それともリスク上昇のマーカーなのかは、今後明らかにする必要があると結んでいる。
原題:「Toothbrushing, inflammation, and risk of cardiovascular disease: results from Scottish Health Survey」
■睡眠6時間未満の人に早死リスク、理想は6~8時間 ― 2010年05月09日
AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/05/06
英ウォリック大学(University of Warwick)と伊フェデリコ2世大学(Federico II University)は、世界各国の130万人以上を対象に10年間にわたる共同研究結果として、1日の睡眠時間が6時間未満の人は早死するリスクが高くなるということを、5月5日、米睡眠専門家協会(APSS)の機関誌「SLEEP(睡眠)」に共同発表した。研究結果によれば、睡眠時間が1日6時間に満たない人が早死する確率は、6~8時間の睡眠の人に比べて12%高いという。
睡眠時間が短いと糖尿病や肥満、高血圧や高コレステロールを引き起こし易い。睡眠不足と疾患の関連性は、ホルモン機構や代謝機構に由来しているのかもしれない。一方、1日9時間を超える睡眠と早死との相関関係も確認されたという。
1日6~8時間の睡眠の人には、有害な影響は何も見られなかったという。
■歯周病はいろいろな生活習慣病に関係している ― 2009年08月29日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2009/08/14
◆歯周病はいろいろな生活習慣病に関係していることが分かってきました。
◇糖尿病とは相互関係 歯磨き、定期検診で予防
◇心臓・循環器疾患や早産・低体重児出産にも影響歯周病は虫歯と並ぶ「歯科の二大疾患」で、歯や歯と歯ぐきの間に存在する細菌による感染症。プラークと呼ばれる細菌の固まりが歯肉に炎症を起こし、腫れたり出血したりして、重症化すれば最終的に歯が抜け落ちる。
歯周病患者は、糖尿病になり易く、逆に糖尿病患者はそうでない人に比べて2倍以上の確率で歯周病に罹り易い「相互関係」があるという。最近は、「網膜症」「腎症」「神経障害」などに続く糖尿病の6番目の合併症といわれるようになってきた。また、歯周病の原因細菌やその破片が歯ぐきの傷口から血中に入り込むことなどで、血管に血栓がつくられ、心筋梗塞や狭心症などを引き起こす一因になっているという。
歯周病の予防には、毎日の歯磨きが欠かせないが、きちんと手入れするには歯ブラシ1本だけではなく、歯間ブラシやデンタルフロス(糸)で歯と歯の間の汚れを落としたり、奥歯を清掃しやすい部分みがき用のワンタフトブラシも使い、丁寧にケアをする必要がある。
■歯周病チェック(東京医科歯科大の和泉教授の講演資料から)
●判定:
- 歯ぐきがむずむずしてかゆい
- 歯ぐきが浮いた感じがして腫れぼったい
- 冷たいものがしみる
- 歯を磨くと歯ぐきから出血する
- 朝起きたとき口の中がネバネバして不快である
- 歯ぐきを押すと血やうみが出る
- 口臭を指摘された(自分で口臭があると感じる)
- 歯ぐきの色が赤黒い、歯ぐきが腫れている
- 歯と歯の間に食べ物がはさまりやすい
- ☆歯を押すとぐらぐらする
- ☆歯ぐきが下がり、歯が長くなった感じがする
- ☆このごろ、歯並びが変わったような気がする
- 0~2個 健康
- 3~4個 歯周病の可能性あり
- 5個以上 歯周病
- 選んだ中に☆の三つが該当 重度の歯周病
■風邪予防には睡眠が効果あり--米大学の実験で明らかに ― 2009年03月01日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2009/02/20
米・カーネギーメロン大学の研究チームにより2000年~2004年にかけて平均年齢37歳の健康な男女153人を対象に実施された調査結果が、米国医師会雑誌(JAMA)の1月12日号に掲載されたところによれば、「睡眠不足の人は風邪をひき易い」という。調査は、1人2週間、睡眠時間などについて毎日聞き取りを行うと共に、風邪の原因ウィルスを含んだ点鼻薬を投与して経過を観察。その結果、毎日7時間未満しか寝ていない人は、8時間以上寝る人に比べて約3倍風邪を引き易く、更にたとえ睡眠時間は長くても、ぐっすり熟睡する時間が短いと風邪をひき易いことが分かったという。
具体的には、睡眠時間に占める「実際に寝ていた時間」の割合が92%未満の人は、同98%以上の人に比べて5倍以上も風邪を引きやすいという結果。
現代の日本人の睡眠時間は、総務省が5年ごとに行う社会生活基本調査の2006年の結果では、世代別で45~49歳の睡眠時間が最も短く、平均7時間5分。全体でも、数値は過去20年で最短となり、世界的に見ても日本人の睡眠時間の短さは突出しているという。
昨年秋に米国の企業が17カ国で行った調査では、日本の平均睡眠時間は6時間24分で最短。最長だったフランス、スイス、メキシコなど6カ国の7時間12分と、48分も差があった。
■歯の健康を保ちたい。「80歳で20本」残すには ― 2008年12月07日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2008/11/25
◇失う最大の原因は虫歯、歯周病
「80歳になっても自分の歯を20本持とう」を合言葉に、厚労省と日本歯科医師会が始めた「8020(はちまるにいまる)運動」は今年で20年目を迎えた。何でもおいしく食べるためには20本以上の歯が必要とされるが、厚生労働省の調査(05年)によると、80歳で残っているのは平均約10本で、20本以上は5人に1人に過ぎず、寿命の延びに歯の寿命が追いついていないという状況。26本の歯を保つ中島茂さん(85)=埼玉県東松山市=は、毎日午前6時に起き塩で歯ぐきをマッサージする。主に玄米や麦飯を食べ、おかずは肉よりイワシやサンマなど魚が中心。野菜の煮物もよく食べる。菓子類など甘い物は食べず、健康茶を毎日沸かして飲んでいる。晩酌には焼酎1合か、ビール1缶。気を付けているのは「満腹になるまで食べないで、素材を生かす『素食』が基本」という。
歯を25本持つ塩原俊司さん(85)=同県熊谷市=も、3食/日をきちんと取り、ほとんど間食しない。おかずは野菜が中心。こまめにかかりつけの歯科医を受診している。
二人に共通するのは、肉は好まず、和食中心のバランスのとれた食事をよく噛んで食べていることだ。甘い物を間食せず、規則正しい生活を続けている。趣味を持ち、進んで外に出かけ、人と触れ合うのが好きな点も似ている。フッ素入りの歯磨きを使っている。
よく噛むと唾液の分泌が良くなり、体の免疫力を高め、歯の再石灰化を促す。野菜など繊維質をよく噛むと歯の表面の歯垢(プラーク)が落ちる。
◇歯周病セルフチェック (8020推進財団のパンフレット「からだの健康は歯と歯ぐきから」より)
※1~2項目当てはまれば歯周病の可能性あり。3~5項目以上なら初期または中期歯周炎以上に歯周病が進行している恐れあり。
- 歯ぐきに赤く腫れた部分がある
- 口臭が何となく気になる
- 歯ぐきが痩せてきた
- 歯と歯の間に物が詰まり易い
- 歯を磨いた後、歯ブラシに血が付いたり、濯いだ水に血が混じることがある
- 歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角的な三角形ではなく、おむすび形になっている
- 時々、歯が浮いた感じがする
- 指で触って少しぐらつく歯がある
- 歯ぐきから膿が出たことがある
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