■どうして?キレる中高年激増 ― 2007年11月27日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2007/11/20
普段まじめで仕事熱心な人が突然キレて、時には歯止めが利かなくなる--こんな中高年層が引き起こすトラブルや暴行事件は、この約10年間で激増した。働き盛りで分別をわきまえたはずの人たちが、なぜキレるのか。現代人の生活に起因 (ストレス過・昼夜逆転の生活)
警察庁によると、今年上半期に暴行容疑で逮捕・書類送検された容疑者を年代別にみると、14~19歳782人(同6.3%増)、20代1917人(同10.1%増)、30代が2543人(前年同期比13.6%増)、40代が1820人(同11.4%増)、50代が1908人(同14.5%増)、60代以上が1468人(同21.9%増)となった。刑法犯全体の届け出件数は、92万5931件(同7.1%減)と5年連続で減少したにもかかわらず、キレた中高年人数は20代以下に比べても高い増加率を示す。
また、98~06年の9年間で見ると、暴行容疑で逮捕・書類送検された容疑者は、10代が00年をピークに減少傾向だが、40代は3.6倍、50代は5倍と激増している。「キレる」とは、広辞苑第5版によれば、「我慢が限界に達し、理性的な対応ができなくなる」というもので、来年1月に刊行される第6版では「逆切れ」が登場するという。
人はどのような原因でキレるのか。脳神経に詳しい有田秀穂・東邦大学医学部教授(統合生理学)によれば、「心と体を調整する機能を持つとされる脳内物質『セロトニン』の欠乏が原因」という。
このセロトニンが欠けると、それを伝達物質として使う「セロトニン神経」が弱まり、行動を制御する「前頭前野」の機能が低下し、取るに足らない事でをした他人への衝動的な攻撃を抑制できない状況に陥る。セロトニンが少なくなるのはなぜか。有田教授によれば、「パソコンの普及や、24時間営業のコンビニエンスストアなどが広まったことで、完ぺきに昼夜逆転できるようになった。昼夜逆転の生活を長く続けると、脳内のセロトニンが分泌されず、同神経が機能低下し、心と体を制御できなくなる」と指摘する。 精神科医の香山リカさんによれば、「心理的原因だけでなく社会的原因にも起因する。例えばサービスを受ける権利意識の高まり。『お金を払っているからこれぐらいのサービスは当然だ』といった考えが背景にある」と分析する。
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