■高学歴者では認知症の発症は遅いが進行は速い ― 2007年11月15日
米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)のCharles B. Hall氏らが、米医学誌「Neurology」10月23日号に発表したところによれば、高等教育を受けた人は認知症の発症は遅いものの、いったん認知力の低下が始まると急激に進行するという。Hall氏らは、認知症を発症した患者117人を平均6年間追跡し、1年ごとに認知力を評価した。被験者の学歴は、小学校3年間未満から大学院まで幅があり、教育を受けた期間が1年増えるごとに、認知症による急速な記憶力低下が始まるのが約2カ月半遅かったが、いったん低下が始まると、教育期間が1年増えるごとに、認知力の低下する速度が4%速くなることが明らかになった。
学歴の高い人は、脳に「予備力」があるために認知症の病変に長い期間耐えることができるが、疾患の進行がこの予備力を上回ると、その後の精神機能の低下は加速されるとする、いわゆる「認知的予備力(cognitive reserve)仮説」がこの研究によって裏付けられたといえる。
▼原文
:Dementia in More Educated Hits Later But Harder
More schooling delayed disease onset, but decline was more rapid afterward, study finds
■アガリクス:がん患者利用多く、安全性確認へ臨床試験--厚労省研究班 ― 2007年11月15日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2007/11/06
日本のがん患者の中で利用頻度が最も多いとされる健康食品「アガリクス」について、厚生労働省研究班(主任研究者、住吉義光・四国がんセンター第一病棟部長)が5日、安全性評価を目的とした臨床試験を今月から始めると発表した。がん患者の4割強が補完代替医療を利用し、その中で最も多く利用されているアガリクスのように、がんの補完代替医療で利用されている健康食品やサプリメントには、科学的根拠が不足したまま情報が氾濫しているものが多いなかで、研究班の大野智・金沢大大学院特任准教授は「安全性が確認されれば、(効能がうたわれている)抗がん効果などについても評価したい」と話している。
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