■花王、コーヒーポリフェノールに体脂肪低減作用があることをヒトで実証 ― 2013年01月01日
花王、コーヒーポリフェノールに体脂肪低減作用があることをヒトで実証
花王が12月6日に発表したところによれば、コーヒー豆に含まれるポリフェノール「クロロゲン酸類」に、血管壁の収縮・弛緩を調節して血圧を正常に保つなどの「血管内皮機能」を改善する作用があることを見出したという。この成果は、同社ヒューマンヘルスケア研究センター・ヘルスケア食品研究所と生物科学研究所によるもので、世界のコーヒー関連研究者が集う「第24回 国際コーヒー科学会議(ASIC)」にて発表した。
1.「クロロゲン酸類による血管内皮機能改善」について成人男性20名を対象に、クロロゲン酸類を140mg/日 摂取できる試験飲料とクロロゲン酸類を含まない飲料を継続摂取した際の、血管拡張反応を指標とした血管内皮機能を、1カ月毎に4カ月間にわたり測定を行った結果、試験飲料を摂取した群で血管内皮機能の改善が認められた。
2.「クロロゲン酸類による血圧改善と酸化成分の影響」について血圧が正常高値及びI度高血圧者(収縮期血圧が140-159mmHgまたは拡張期血圧が90-99mmHgの範囲)の成人男女(100名)を対象に、クロロゲン酸類を300mg/日 摂取できる試験飲料(クロロゲン酸類を含み、酸化成分(ヒドロキシヒドロキノン)を低減した焙煎コーヒー)と、クロロゲン酸類を含まず酸化成分を低減した焙煎コーヒー(対照飲料I)を12週間継続摂取した際の収縮期血圧の測定を行った結果、クロロゲン酸類を摂取することで血圧の改善が認められたという。
3.「クロロゲン酸類による体脂肪低減」について
また、クロロゲン酸類を含み酸化成分を低減していない焙煎コーヒー(対照飲料II)を摂取した群(47名)においては、血圧の改善は認められず、酸化成分の影響が確認されたとことにより、血圧改善作用を十分に発現させるには、クロロゲン酸類を豊富にすると共に焙煎工程で生じる酸化成分を低減させたコーヒーが有効であることが示された。平均BMI 27.7の成人男女(109名)を対象に、クロロゲン酸類を300mg/日 摂取できる試験飲料(クロロゲン酸類を含み、酸化成分を低減した焙煎コーヒー)と、クロロゲン酸類を含まず酸化成分を低減した焙煎コーヒー(対照飲料I)を12週間継続摂取した際の身体指標の測定を実施した結果、試験飲料群に体重・体脂肪(腹部脂肪)の低減が認められたとのことで、クロロゲン酸類の継続摂取によりエネルギー消費、特に脂質燃焼量が有意に増加することが確認されていることから、体脂肪の低減は体内での脂肪消費を高める作用によるものと考えられる。
■糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」の違いって? ― 2012年11月11日
食品表示に気をつけろ!/「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」の違いって?
▼糖類は糖質の一部、共に100ml当たり0.5g未満なら「ゼロ」表示
「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」、似通った表現だが、一体どこが違うのか?。
要するに、
・糖類というのは、糖質の一部である。
・一般的に糖分としてイメージする砂糖は、糖類に分類される。
更に、健康増進法に基づく栄養表示基準により、糖質・糖類共に「100ml当たり0.5g未満であればゼロ表示が可能」ということ。
▼甘味料や基準値内の糖類で「ゼロ」表記上記3つのポイントを頭に入れて原材料表示を見ると、「糖類ゼロ」でも甘味料、「糖質ゼロ」でも糖類が含まれている。
・糖類の使用を避け甘味料を用いることで「糖類ゼロ」表示。
・糖アルコールや甘味料を使わず、ゼロ表示への基準値(0.5g/100ml)内で糖類を使用することで「糖質ゼロ」表示が出来る。
「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」で考えられる原材料を、以下に纏めると、
「糖類ゼロ」
・添加物としての基準値内の甘味料を使用
・ゼロ表示への基準値内の糖類を使用
「糖質ゼロ」
・ゼロ表示への基準値内の糖類を使用
・ゼロ表示への基準値内の甘味料を使用
・ゼロ表示への基準値内の糖類+甘味料を使用
つまり、基準値内で糖類や甘味料を使用した場合は、「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」共に示可能という場合が出てくるので、どちらを選んだらいいのか? 甘味料まで少なく制限できる「糖質ゼロ」の方が無難かもしれないが、「ゼロだから大丈夫」ではなく「ゼロでも適量」を心掛けることではないかと結んでいる。
■乳酸菌を摂取すると体脂肪を低減させることができる - カルピスが確認 ― 2012年10月25日
乳酸菌を摂取すると体脂肪を低減させることができる - カルピスが確認
カルピス 発酵応用研究所が、2012年10月11日~12日に開催された「第33回 日本肥満学会」で発表したところに依れば、同社が保有する乳酸菌ラクトバチルス・アミロボラス CP1563株に、体脂肪を低減する作用があることをヒト試験で確認したという。
CP1563株は、脂質代謝を促進する核内受容体「PPARα」の活性化能が高い同社保有の乳酸菌で、これまでに、肥満モデルマウスに同乳酸菌の破砕菌体を摂取させると血中脂質代謝が改善することなどを確認している。
今回の研究によるヒト試験では、CP1563株の破砕菌体摂取による体脂肪低減作用が認められたほか、体脂肪高値者において腹部体脂肪面積の減少作用が認められたというもの。
具体的な試験方法は、HDL-コレステロールが40mg/dL以下 且つ BMI28以上の成人男女40名(平均年齢47.4±11.5 歳)を2グループに分け、CP1563株の破砕菌体200mgを含むカプセル又は含まないカプセル(プラセボ)を12週間摂取し、体脂肪率・腹部脂肪面積などを測定比較した結果、CP1563株破砕菌体の摂取群は、プラセボ摂取群と比較して、体脂肪率の推移に有意な差が認められたという。
また、腹部CTスキャンによる体脂肪面積測定の結果、CP1563株破砕菌体の摂取群はプラセボ摂取群と比較して、体脂肪面積が低下する傾向が認められたほか、摂取前の体脂肪の多い方は 体脂肪面積が減少し易いことが判明したという。
■ビール飲んで、筋肉老化防ぐ? 徳島大大学院が発表 ― 2012年09月28日
ビール飲んで、筋肉老化防ぐ? 徳島大大学院が発表
徳島大大学院の寺尾純二教授(食品機能学)らの研究チームが、米科学誌プロスワン電子版に9月20日発表したところに依れば、ビールの原料、ホップに含まれる成分に筋肉の萎縮や老化を抑える効果があるという。
寝たきりなどで筋肉が衰えるのは、筋細胞内で特定の酵素(ユビキチンリガーゼ)が増えることが一因。研究チームが、座骨神経を切除し筋肉が減っていく状態にしたマウスに、ホップの成分「8-プレニルナリンゲニン」を混ぜた餌を与え、通常の餌のマウスと比べたところ、ふくらはぎの筋細胞内の酵素の発生量が約60%抑制されたという。
ビールの原料であるホップの効能は、鎮静作用や食欲増進作用を持つ複数の機能性物質がある。今回調べた成分もその一つで、ビールの製造過程や腸に吸収されるときに増加する。
実験でマウスが1日に摂取した量は、体重50kgの人間に換算すると、この成分を1L中最大0.2mg含む海外産ビールで少なくとも約80L分に相当するが、寺尾教授は「実験では約20日間、大量に与えたが人間の場合は、過剰摂取は必要なく長期にわたる習慣的なビール摂取でも、筋肉の老化防止効果が期待できる」と話す。が、如何に?
■女性の内臓脂肪を低下させるものとは? ― 2012年09月23日
女性の内臓脂肪を低下させるものとは?
精麦加工の最大手であるはくばくは、大麦(もち大麦)の持つ食物繊維が女性の内臓脂肪を低下させることなどを試験により明らかにしたと、8月29日~31日に開催された「第59回日本食品科学工学会」で発表した。
試験は、1日2食、「もち大麦」を30%配合の麦ごはんを摂取する成人女性5名(「もち大麦」30%配合群)と、「もち大麦」を50%配合の麦ごはんを同じ頻度で摂取する、BMI25以上成人男女各5名(「もち大麦」50%配合群)の2グループを対象に、12週間試験を行った。
試験結果は、「もち大麦」を50%配合した米飯を摂取することで、BMIおよび腹囲周囲径が有意に減少。30%配合群においては有意差はなかった。
女性50%群では、体重の減少効果も大きいことを確認。「もち大麦」配合の米飯を摂取する前に比べ、2.0kg体重の減少が見られた。 以上を踏まえ、男性・女性ともに「もち大麦」の摂取がダイエットに有効であることが確認できたという。
「はくばく」のエビデンスページ
http://www.mugigohan.jp/evidence/index.html
■低炭水化物ダイエットご用心…心筋梗塞や脳卒中等の発症リスク高まる ― 2012年07月21日
低炭水化物ダイエットご用心…心筋梗塞や脳卒中等の発症リスク高まる
ハーバード大などのグループが英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に発表したところに依れば、炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるという。
同研究グループは、1991~92年、スウェーデンの30~49歳の女性43,396人の食生活を調査し、その後平均約16年間、心筋梗塞や脳卒中などの発症を追跡調査し、1270例の発症例を、炭水化物とたんぱく質の摂取量によって10段階に分けて分析した。
炭水化物の摂取量が1段階減り、たんぱく質の摂取量が1段階増えるごとに、それぞれ発症の危険が4%ずつ増えた。一般的に炭水化物を制限する食事では高たんぱく質になる傾向がある。低炭水化物・高たんぱく質のグループでは、そうでないグループに比べて危険性が最大1.6倍高まった。
■アルツハイマー病には食事療法よりも運動療法が効果的 ― 2012年05月24日
アルツハイマー病には食事療法よりも運動療法が効果的
京都大学医学部の木下彩栄(あやえ)教授や前迫真人さん(博士課程2年)らが、米国科学誌「The Journal of Biological Chemistry」オンライン版(5月4日付)に発表した研究に依れば、アルツハイマー病による記憶障害の改善には、食事療法よりも運動療法の方がより効果が有ると、マウスを使った実験で明らかにしたという。
アルツハイマー病は、脳内に「アミロイド」というタンパク質が蓄積し、神経細胞に障害を起こすことで記憶機能が悪化すると考えられていて、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病との関連が疫学的に注目され、マウスに高脂肪食を与えると記憶力が低下し、アミロイドが多く蓄積するとの研究も報告されていた。
研究チームは、アルツハイマー病にしたモデルマウスを下記の4群に分けた。
モデルマウスの記憶力の変化を、予め覚えさせた水上迷路のゴールに泳ぎ着く時間を測定した(Morris水迷路試験)結果、
- 高脂肪食のえさを20週間食べさせた。
- 途中の11週目から「回し車」で自発的に運動をさせた。
- 11週目から運動をさせずに、普通食のえさに切り換えた。
- 11週目から自発的運動と普通食のえさを与えた。
脳内のアミロイドの蓄積量は、運動した高脂肪食マウスでは、運動しなかった高脂肪食マウスの半分程度に減少し、運動と普通食を組み合わせたマウスと同じ程度だったことより、運動療法の方が食事療法よりも効果的で、高脂肪食のままでも運動をすれば、普通食に切り換えた場合と同様な効果が有ることが分かったというもの。
- 高脂肪食だけを食べていたマウスは、約35秒掛かった。
- 高脂肪食ながらも運動したマウスは、約16秒掛かった。
- 普通食に切り換えたマウスは、約25秒掛かった。
- 運動と普通食を組み合わせたマウスは、約17秒だった。
■睡眠不足は肥満のもと、仏大研究 ― 2012年05月21日
睡眠不足は肥満のもと、仏大研究
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2877235/8926430
AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2012/05/11
AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2012/05/11
欧州肥満症会議(European Congress on Obesity)で5月10日に発表したされた、リヨン大学(University of Lyon)のカリーン・シュピーゲル(Karine Spiegel)博士率いるチームの論文に依れば、睡眠時間が不十分だと、満腹感をつかさどるホルモンの働きが妨げられ、食欲を刺激するホルモンが分泌されるため空腹感が25%増加することで、肥満につながるという。
研究では、肥満や睡眠時間に関する様々な研究を幅広く調べた結果は、子どもや若年層により当てはまるり、夜の睡眠時間を長くするといった簡単な方法で、慢性的に睡眠不足な若者たちの肥満を防ぐことができるという。
成人の場合、健康的な睡眠時間は7~8時間で、6時間以下は睡眠不足とされ、カロリー換算では、睡眠時間が減るとカロリー摂取量が1日350~500カロリー増える計算になるという。
■のんびりジョギングで5~6年長生き デンマークで調査 ― 2012年05月12日
のんびりジョギングで5~6年長生き デンマークで調査
アイルランド・ダブリンで5月5日に開かれた欧州心臓学会の関連学会で、デンマークのピーター・シュノール医師らが発表した調査結果によれば、ゆっくりしたペースでジョギングをほどほどにする習慣がある人は、長生き出来そうだという。
循環器病の予防のため、首都コペンハーゲンの市民約2万人を対象に1976年に始まった疫学調査の参加者のうち、ジョギングの習慣がある1,878人に着目し死亡率を調べた結果、ジョギングの習慣が無い人に比べて死亡率が下がっており、寿命は男性で6.2年、女性で5.6年、延びていた。
この1,878人には、毎週、何時間ぐらいジョギングをするかや走るペースについて質問し、回答を分析した結果、死亡率は「ゆっくり又は平均的」ペースで週に2~3回、計1~2.5時間走る場合に最も下がることも判った。
■トマトの成分、中性脂肪減らす 京大がマウスで確認 ― 2012年02月14日
トマトの成分、中性脂肪減らす 京大がマウスで確認
京都大の河田照雄教授らが米科学誌プロスワンで2月10日発表したところによれば、肝臓内の脂肪を燃やして中性脂肪を減らすトマトの成分を発見し、マウスを使った実験にて確かめたと云う。河田教授らはトマトの成分を細かく分け、脂肪を燃やす酵素をつくる遺伝子にかかわる物質を探した結果、脂肪酸の一種「13-oxo-ODA」がその遺伝子のスイッチになっていることを突きとめた。
肥満になり易いマウス8匹に、この脂肪酸を1日当たりの餌4gに0.05%混ぜ、4週間与えた結果、血液1dL中の中性脂肪は平均97mg。混ぜていないえさのマウス8匹の142mgに比べ、3割以上低かった。同様に肝臓中の中性脂肪は29%、血糖値は23%低かった。
この量を人間に当てはめると、トマトジュースを毎日コップ3杯(約600mL)飲んだぐらいという。
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