■アルツハイマー病には食事療法よりも運動療法が効果的 ― 2012年05月24日
京都大学医学部の木下彩栄(あやえ)教授や前迫真人さん(博士課程2年)らが、米国科学誌「The Journal of Biological Chemistry」オンライン版(5月4日付)に発表した研究に依れば、アルツハイマー病による記憶障害の改善には、食事療法よりも運動療法の方がより効果が有ると、マウスを使った実験で明らかにしたという。
アルツハイマー病は、脳内に「アミロイド」というタンパク質が蓄積し、神経細胞に障害を起こすことで記憶機能が悪化すると考えられていて、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病との関連が疫学的に注目され、マウスに高脂肪食を与えると記憶力が低下し、アミロイドが多く蓄積するとの研究も報告されていた。
研究チームは、アルツハイマー病にしたモデルマウスを下記の4群に分けた。
モデルマウスの記憶力の変化を、予め覚えさせた水上迷路のゴールに泳ぎ着く時間を測定した(Morris水迷路試験)結果、
- 高脂肪食のえさを20週間食べさせた。
- 途中の11週目から「回し車」で自発的に運動をさせた。
- 11週目から運動をさせずに、普通食のえさに切り換えた。
- 11週目から自発的運動と普通食のえさを与えた。
脳内のアミロイドの蓄積量は、運動した高脂肪食マウスでは、運動しなかった高脂肪食マウスの半分程度に減少し、運動と普通食を組み合わせたマウスと同じ程度だったことより、運動療法の方が食事療法よりも効果的で、高脂肪食のままでも運動をすれば、普通食に切り換えた場合と同様な効果が有ることが分かったというもの。
- 高脂肪食だけを食べていたマウスは、約35秒掛かった。
- 高脂肪食ながらも運動したマウスは、約16秒掛かった。
- 普通食に切り換えたマウスは、約25秒掛かった。
- 運動と普通食を組み合わせたマウスは、約17秒だった。
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