■ビタミン:新たな効果 骨粗しょう症予防にD、K/脳卒中に葉酸 ― 2010年04月10日

毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2010/04/02
今年は、日本でのビタミン発見から100年目バター・キクラゲ・魚類等に多く含まれるビタミンDは、腸でのカルシウム吸収を助け、骨の形成に関与、欠乏すれば骨軟化症などの石灰化障害を起こす。
1980年代以降、血液中のビタミンD濃度を計測できるようになり、軽度の不足で、骨粗しょう症が起きることが分かってきた。研究によれば血液1mL当たりのビタミンD 20ng未満というのが不足の目安という。
ではビタミンDの血中濃度を確保するには、どれくらい摂取する必要があるのか。京都女子大の田中清教授(臨床栄養学)が調べたところによれば、サケ一切れに含まれるビタミンDに当たる20μg摂取することで、血液1mL当たり19ngまで上昇することが分かった。
また緑色野菜・海藻・納豆などに多く含まれ、肝臓で血液凝固因子を活性化させるビタミンKが、骨に存在するたんぱく質の働きに関係していることも分かってきた。
ビタミンKも、摂取量によっては骨で不足するケースが起こる。小腸で吸収されたビタミンKは肝臓を経て骨に送られる。消化吸収力の低下した病気の人を対象にした田中教授の研究によれば、肝臓で足りていたビタミンKが、骨では不足しているという結果が出た。健康な成人なら平均して250μg/日を摂取しているので量的には十分だが、高齢者や病気の人は納豆などを積極的に食べたほうが良いと指摘する。一方、ホウレンソウなどの緑黄色野菜に多く含まれるビタミンB群の一種の葉酸は、欠乏すると貧血を起こすほか、妊婦では胎児に二分脊椎症などの障害を起こす。
女子栄養大の香川靖雄副学長(人体栄養学)によると、海外の研究では、葉酸の血液中濃度が増すと、脳卒中や心筋梗塞のリスクを示すアミノ酸、ホモシステインの値が減る。このため世界52カ国では、小麦などの穀類に葉酸を添加して、葉酸摂取量を増やす政策を取っていて、98年に穀類の葉酸強化を導入した米国では、99年以降脳卒中死亡率が低下したという。厚生労働省が生活習慣病予防のための基礎的データとして纏めた「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によれば、18歳以上の男女の葉酸の推奨量を240μg/日(妊婦は480μg/日)としている。
■ビタミンDを多く含む食品: ■ビタミンKを多く含む食品: キクラゲ ( 1g):4.4μg 卵 ( 50g):7μg サケ ( 60g) :19.2μg 納豆 ( 50g):300μg ウナギかば焼き(100g):19.0μg ホウレンソウ ( 80g):216μg サンマ ( 60g):11.4μg 小松菜 ( 80g):168μg ヒラメ ( 60g):10.8μg ニラ ( 50g):90μg イサキ ( 60g):9.0μg ブロッコリー ( 50g):80μg タチウオ ( 60g):8.4μg サニーレタス ( 10g):16μg カレイ ( 60g):7.8μg キャベツ ( 50g):39μg メカジキ ( 60g):6.6μg カットワカメ ( 1g):16μg なまり節 ( 30g):6.3μg ノリ (0.5g):2μg (日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン06年版」より引用
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