■動脈硬化発症は免疫の働き原因…帝京大など調査 ― 2010年04月30日

米マサチューセッツ大学と帝京大学の河野肇講師らのグループが、4月29日付の英科学誌ネイチャーに発表したところによれば、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの血管への蓄積は、体を守る免疫細胞の働きによって起きていることを突き止めたという。動脈硬化は、血管の壁に悪玉コレステロールが溜まり、血管が詰まって脳梗塞や心筋梗塞の原因になる生活習慣病である。このコレステロールが蓄積する原因が不明だったが、河野講師らは、脂質を代謝し難いマウスに高カロリーの餌を与え、血管の変化を観察し、二週間後、細菌やウイルスを処理する免疫細胞のマクロファージが血管の内側に集まり、血液中のコレステロールを異物とみなして食べ始めた。
コレステロールを食べたマクロファージは、これを分解できずに死んでしまい、コレステロールの結晶が残留。マクロファージには仲間を呼び寄せる性質があり、血管の壁がマクロファージの「墓場」となって、コレステロール結晶が雪だるま式に蓄積することで、動脈硬化を起こすことがわかったというもの。
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