■体質も変える腸内細菌って何? 重さは1.5Kgにも ― 2014年06月07日
体質も変える腸内細菌って何? 重さは1.5Kgにも
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1400Q_U4A410C1000000/
日本経済新聞> ライフ > ヘルス > 日経ヘルス&メディカル > 2014/04/27
日本経済新聞> ライフ > ヘルス > 日経ヘルス&メディカル > 2014/04/27
健康を支えるキーワードとして、おなじみの腸内細菌について、意外と知られていないことも多い。この腸内細菌の素顔に迫ってみることに。
「腸内細菌」。腸の中にビフィズス菌、乳酸菌など無数の細菌が住みついていて、人の健康に大きな影響を与えている。お通じ対策は勿論、最近では美肌やダイエットにも「腸内細菌の改善を」と云われる程に。
日本の腸内細菌研究の第一人者、理化学研究所の辨野義己(べんの・よしみ)さんに依ると、
腸内細菌ってどの位いるのだろうか? 10年ほど前までは、1人の腸の中に100兆個と云われていたが、今では500兆~1000兆個は居ると考えられている。 いきなり数が増えたのは、何が変わったのか?
以前は、ウンチを培養して調べていたが、腸内細菌の80%以上は培養しても生きられないと判った。腸の中は無酸素状態で、外界では育たない菌が多かった為で、培養をせずに便の中から細菌の遺伝子を同定する方法が確立されことで、新しい菌がどんどん見つかっている。
ちなみに人体の細胞総数は60兆個。腸内の細菌数はそれより一桁以上多いわけで、菌の種類も以前は100種類程度と云われていたが、今では500~1000種と見積もられている。
■菌の総量は1.5キロ 肝臓並みの重さ
腸内細菌は、腸の何処に住みついているのか? ヌメッとしている腸管壁の粘膜が菌の棲みか。菌の総量は1人分で1.5Kgほど。 この重さは肝臓とほぼ同じ。肝臓は人体最大の臓器だが、腸内細菌の総重量はそれと同等。また肝臓は、数百~数千種類の化学反応を行っていると云われるが、腸内細菌も全部で1000種類もいるわけで、同じぐらい多種類の働きをしている可能性が高い。つまり腸内細菌は、肝臓に匹敵する体内最大級の“臓器”と考える事が出来る。
腸内細菌の餌は、腸内を進んでくる消化物。菌ごとに好みが決まっていて、特定の菌はほぼ特定の成分を食べ、その菌の排泄物は別の菌の餌になる。その排泄物をまた別の菌が食べ、それをまた次……といった具合に、1000種の菌は食べ物の連鎖で繋がっている。
連鎖の過程で発生する成分の一部が腸から吸収され、体の健康に影響を与える。良い影響なら「善玉菌」、悪い影響なら「悪玉菌」と呼ばれるが、“日和見菌”と呼ばれる菌もいて、その名の通り大勢に流れる性質の一群で、善玉菌が優勢のときは大人しいが、悪玉菌が優勢になると一緒になって悪さを始める。これが全体の約7割を占める。
3群の構成比は2:1:7位が理想。この状態なら、黄色がかったバナナ状のウンチがするりと出るとか。
■菌バランスによって“体質”が変化する
菌のバランスは、代謝や免疫といった体の機能に大きな影響を与える。 肥満の人には、特定の菌が多い。“太りやすい体質”が、腸内細菌に左右されている可能性がある。
遺伝子によって決まる体質と違い、腸内細菌は流動的。食べ物などによってバランスが大きく変化する。つまり、体質が変化する点が、肝臓のような内臓との違いだ。ヨーグルトや納豆を食べる意味もこの点にある。
多くの人の腸内細菌を調べデータベース化すれば、菌の種類と病気の関係が判る。菌を制御して病気を防ぐ方法も見えてくる筈で、「腸内細菌プロファイル」の構築を目指して、辨野さんは今日も便を調べている。
~働きもののカラダの仕組み 北村昌陽~
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://health-info.asablo.jp/blog/2014/06/07/7338396/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。