■悪夢の細菌-最強の抗生物質も効かない薬剤耐性の細菌が増加 ― 2013年03月18日
悪夢の細菌-最強の抗生物質も効かない薬剤耐性の細菌が増加
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323994204578343281390027100.html
ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/03/07
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米疾病対策予防センター(CDC)が、3月5日明らかにした所に依れば、米国の病院では治療が難しく、場合によっては全く治療が不可能な感染症例が増えていて、その感染が医療機関外の人々にまで広がる恐れがあるという。
原因は、enterobacteriaceae(腸内細菌科)として知られる細菌の一種で、消化器官に通常存在するが、膀胱・血液など本来存在していない器官に到達すると感染症を引き起こす可能性があるというもので、 CDCは、この細菌の薬剤への耐性が上がっていると指摘し、感染を検知・予防する方策を果敢に講じることが流行阻止に効果的だと述べた。
CDCに依れば、カルバペネム系の強力な抗生物質(悪性感染症の治療の最終手段として使われることが多い)に耐性を持つ腸内細菌への感染の比率は、10年前の1.2%から2011年時点で4.2%へと増えている。それらの腸内細菌の中で最も厄介な部類とされるクレブシエラ(グラム陰性の桿菌)ではさらに顕著で、薬剤に耐性を持つ細菌の比率が、10年前の1.6%から10.4%へと大きく上昇している。 これらはカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)と呼ばれ、これによる血流感染が起きると、約半数もの患者が命を落とすという。
CREの感染症は、院内感染の原因で最も多いメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染症ほど広がっていないものの、昨年上半期に短期入院型の病院でCRE患者が少なくとも1人いた病院の比率は4%近く、長期型の急性期病院では18%近くに達した。またCDCによると、薬剤耐性を持つクレブシエラへの感染は、10年前にノースカロライナ州の1件の医療機関で初めて確認されたが、現在は42の州で報告されている。
CDCは病院や医療機関に感染の予防策を取るよう呼び掛けている。手洗いの励行、医療器具をできるだけ早く患者から取り外す、感染した患者を隔離する、感染拡大を防ぐためCRE患者専用の病室・器具・スタッフを準備するといったことだ。
関係者は、MRSAは市場に出回っている比較的新しい抗生物質で治療可能だが、CREは治療の選択肢がほとんどなく、新薬が早期に開発される見込みもない。更にCREは抗生物質への耐性を他の細菌に伝えられるため、医療機関の外に広がり、他の健康な人々にまで及ぶ恐れがあると警告している。
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