■マルチビタミン常用は癌の罹患リスクをわずかに下げる ― 2012年11月23日
マルチビタミン常用は癌の罹患リスクをわずかに下げる
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201211/527573.html
Nikkei Medical Online ニュース 2012/11/08
Nikkei Medical Online ニュース 2012/11/08
米Harvard大学医学部のJ. Michael Gaziano氏らが、JAMA誌電子版に2012年10月17日に報告した研究によれば、マルチビタミンを長期間常用すると、癌の罹患リスクが8%低下することが、米国男性医師を対象とした大規模な二重盲検無作為化試験で分かったという。
数あるサプリメントの中で最も広く利用されて、米国の成人の少なくとも1/3はマルチビタミンを使用している中、これまでもマルチビタミンの使用とあらゆる癌や特定の癌の罹患率、死亡率の関係を調べた観察研究はあったが、一貫した結果は得られていなかった。著者らは、米国男性医師を対象に実施したPhysicians’ Health Study IIから、今回、癌の罹患や死亡とマルチビタミンの関係を分析したもの。
今回の二重盲検無作為化試験の対象は、50歳以上の男性医師14,641人(平均年齢64.3歳、平均BMI 26.0、現在喫煙者は3.6%)。1,312人(9.0%)は癌の既往を持っていた。7317人がマルチビタミン、7324人が偽薬に割り付けられ、1997年~2011年6月1日まで追跡された。
ビタミン群の男性のあらゆる癌の罹患リスクは、偽薬群に比べて有意に低かった。
癌全体の半数強を占めた前立腺癌の罹患率には、差はなかった。
その他の部位特異的な癌の罹患率は、いずれも有意差を示さなかった。
ベースラインで癌の既往があった男性とそうでない男性を分けて、あらゆる癌の罹患率を比較した。癌の既往ありの1,312人では、ビタミン群の方が癌罹患率が有意に低かった。一方、癌の既往がなかった13,329人については、ビタミン群に有意な癌罹患リスクの減少はみられなかった。癌の既往の有無とマルチビタミンの癌罹患リスク低減作用の間には有意な交互作用は見られなかった。
▼原題は、「Multivitamins in the Prevention of Cancer in Men: The Physicians' Health Study II Randomized Controlled Trial」
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