■緑茶の癌予防効果の確証得られず ― 2009年07月31日

ドイツの癌研究グループ(Oncology Study Group)のKatja Boehm氏らが、医学誌「The Cochrane Database of Systematic Reviews(コクランシステマティックレビュー・データベース)」7月8日付オンライン版に発表したところによれば、緑茶を日常的に飲んでいるアジア人計160万人を対象とする研究について、過去20年にわたる51件の研究をレビューした結果、緑茶の癌予防効果については、緑茶の摂取量やさまざまな癌の成長(増殖)の仕方が一定でないために、緑茶の癌予防について決定的な関連性を見出すのは困難であったという。緑茶には強力な抗酸化物質であるカテキンをはじめ、ポリフェノールが豊富に含まれている。ポリフェノールは同じ植物(チャ)を原料とする紅茶やウーロン茶にも含まれるが、緑茶のポリフェノールには特有の癌予防効果があると主張する研究者もいる。
しかし、今回のレビューでは、肝癌、乳癌および前立腺癌については緑茶による予防効果がある程度認められたものの、膀胱癌リスクは逆に増大する可能性が示された。食道癌、大腸(結腸直腸)癌、膵癌など消化管の癌では一致する結果が得られず、著者らは肺癌、膵癌、大腸癌の予防効果については限定された証拠しか認められなかったと記している。
仮に利益がなくても適量(1,200ml/日 未満)の緑茶を飲むことは安全であるとの見解を示している。
▼原文: No Firm Evidence Green Tea Helps Prevent Cancer
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