■「えのきヨーグルト」で免疫力向上 長野で開発 ― 2013年03月19日
長野県農協直販(長野市)は、信大工学部と共同開発した「信州発えのきヨーグルト」を、県内のAコープやスーパー約100店舗で販売を始めたという。
エノキのエキスは、1969年に当時の国立がんセンター研究所が開発したもので、同センターと北信総合病院の研究では、免疫力向上による抗がん作用が報告されているという。
75g/パック の中には、中野市産エノキダケを煮詰めた「信州産えのきたけ抽出エキス」を600mg使用しており、¥98(税込)。
問い合わせは県農協直販(026-285-5501)へ。
■理研など、ヘルパーT細胞が「キラー様T細胞」へと機能変化可能なことを解明 ― 2013年02月20日
理研 免疫・アレルギー科学総合研究センター 免疫転写制御研究グループの谷内一郎グループディレクター、米ラホイヤアレルギー・免疫研究所のHilde Cheroutre教授(理研 免疫・アレルギー科学総合研究センター 環境応答制御研究ユニット ユニットリーダー兼務)らの国際共同研究グループらが、米科学雑誌「Nature Immunology」オンライン版の1月21日版に発表した研究に依れば、食物や細菌に常にさらされている腸内環境では、免疫応答の司令塔として重要な「ヘルパーT細胞」が、異物を認識して破壊する「キラーT細胞(細胞障害性T細胞:CTL)」と同様の機能を持つ「キラー様T細胞」へと機能変化できることを解明したという。
今回の研究により、ヘルパーT細胞は、キラー様T細胞へ機能変化するという潜在能力を持つことが明らかになったほか、機能変化過程がThPOK転写因子の発現消失によるものだったことから、この過程では細胞の性質をコントロールする根本的なプログラムが書き換えられていることが判ったというもので、腸管のような環境下のヘルパーT細胞は、細胞機能プログラムを再び書き直す能力を有していることが判ったのである。
人為的なT細胞分化誘導法の開発は、免疫疾患の新たな治療法の開発につながると期待できると、研究グループはコメントしている。
■ストレスが最大の原因! 一般内科医の半数以上が、免疫力の低下を指摘 ― 2012年11月14日
ゼスプリ インターナショナル ジャパンは、一般内科医105名を対象に「免疫力に関するアンケート調査」を9月24日に実施し、発表したところに依れば、実際に診察する医師の多くが、ストレスを免疫力低下の最大の要因に挙げるほど、ストレスは現代人の生活に悪影響を及ぼしていることが分かったという。
質問:「診察を行う中で免疫力が弱まっている人が増えていると感じますか?」
回答:「非常に増えている (6.7%)」、「増えている (46.7%)」、
「変わらない (46.7%)」、
「免疫力が弱まっている人が、減っている (0%)」
質問2:「免疫力低下の最大の要因は?」
回答:「ストレス」(42.9%)、「疲労」(14.3%)、
「食事」(12.5%)、「睡眠」(7.1%)、「運動」(7.1%)
質問3:「免疫力が弱まりを自覚していないケースはありますか?」
回答:「多い」(52.4%)、「どちらともいえない」(40%)、
「非常に少ない」(5.7%)、「少ない」(1.9%)
質問4:免疫力改善策は?
回答:「睡眠」(63.8%)、「気分転換・ストレス対策」(54.3%)、
「食事」(44.8%)
更に、免疫力と生活習慣の関連性については、9割近くの医師が「免疫力は日々の積み重ねで構築されると思う」と回答。毎日の健康習慣が免疫力を左右するようだと、結んでいる。
■ガセリ菌SP株などのNK細胞活性増強/ストレス軽減効果を確認 - メグミルク ― 2012年10月30日
雪印メグミルクが、10月24日に札幌市において開催された北方系機能性植物研究会主催シンポジウムにて発表したところによれば、北海道情報大学・健康情報科学研究センターの「食品の臨床試験システム」を利用して、プレーンヨーグルトのヒト介入試験を行ったところ、「Lactobacillus gasseri SBT2055(ガセリ菌SP株)」及び「Bifidobacterium longum SBT2928(ビフィズス菌SP株)」が、NK細胞の活性上昇とストレスホルモンの低減に寄与することが明らかになったという。
この試験は、2011年9月~12月にかけて、32歳~76歳までの224名の健常者(男性69名・女性155名)を対象として12週間行われたもので、被験食は、ブルガリクス菌とサーモフィラス菌に加え、ガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株の2種類のプロバイオティクスを含むプレーンヨーグルトを使用し、プラセボ食として前記プロバイオティクス2種を含まないヨーグルト(ブルガリクス菌とサーモフィルス菌を含む)を用いた。
結果は、免疫活性化の指標であるNK 細胞活性について、被験食を摂取した群がプラセボ食群と比較して有意に上昇し、またストレスホルモンである血中の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)については、被験食を摂取した群がプラセボ食群と比較して有意に減少したほか、ストレスの指標である血中のコルチゾールについては、プラセボ食群に比較して増加を抑制する傾向が示されたという。
これらの試験結果により、ガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株の2菌を含むヨーグルトは、これらの菌を含まないヨーグルトに比べて免疫系の活性化とストレスの軽減効果があることが示唆された。
尚、本研究内容は、12月にアメリカ・ハワイにて開催される「国際機能性食品学会(ISNFF:International Society for Nutraceuticals and Functional Foods)」で発表される予定とのこと。
■腸内細菌のバランスの崩れが自己免疫疾患につながる? - 理研が発表 ― 2012年05月09日
理研免疫・アレルギー科学総合研究センター粘膜免疫研究チームのSIDONIA FAGARASAN チームリーダーらの研究グループが、米科学雑誌「Science」4月27日号に発表したところによれば、免疫系を抑える機能を持つ免疫抑制受容体「PD-1(programmed cell death-1)」が、腸管免疫に重要な影響を及ぼす腸内細菌の構成を制御していることを発見したという。
これまで研究チームは、「IgA抗体」が「善玉菌」と「悪玉菌」の構成を制御するという知見を報告している。
PD-1が欠損したマウスは、さまざまな自己免疫疾患を発症する一方で、その腸内細菌を除くと自己免疫疾患を発症しないこともあり、腸内細菌が自己免疫疾患に何らかの影響を及ぼしていることを示唆していたが、詳細はわかっていなかった。そこで、PD-1欠損マウスのIgA抗体の質と腸内細菌の構成を測定し、それらが自己免疫疾患にどのような影響を及ぼしているのか調べた結果、正常マウスとPD-1欠損マウスでは、腸内細菌の総数は同じだったが、その構成が変わっていた。PD-1欠損マウスでは、善玉菌のビフィズス菌が検出できないほど減少した一方、腸管内で本来増えることができない悪玉菌の「エンテロバクター属菌」が400倍にも増加していた。
このような構成が変わった理由を突き止めるために、IgA抗体の質と量を調べた結果、IgA抗体を産生するB細胞は、正常マウスとPD-1欠損マウスでほぼ同数で、腸管内に分泌されているIgA抗体の量も同じであったが、PD-1欠損マウスのIgA抗体は、腸内細菌に結合する力が弱いことが判明した。
次に、その結合力の低下の理由を調べるため、リンパ球などの免疫細胞が集合して小腸内に作るリンパ組織「パイエル板」にあるB細胞やT細胞の調査を行った結果、「PD-1欠損マウス」は、パイエル板の胚中心が大きくなり、その中の「ヘルパーT細胞」の数が3倍も増加していた。その結果、増加した「ヘルパーT細胞」が「B細胞」に過剰に働きかけ、本来ならば除かれるべき「できの悪い」B細胞が生き残った結果、結合力が弱いIgA抗体が腸管内腔に分泌されていることが判った。
続いて、腸内細菌の構成の変化と全身の免疫系との関係が調べられた。「PD-1欠損マウス」は、「正常マウス」に比べ炎症性の「サイトカイン」を産生する「ヘルパーT細胞」が4倍に増加していること、正常な状態では現れない胚中心が腸管以外のリンパ節に存在し、T細胞やB細胞の数もそれぞれ2.5倍と2倍に増えていることが判った。
また、通常は腸管でしか見られないはずの腸内細菌に対する抗体を血液中からも検出したことから、「PD-1欠損マウス」は全身の免疫系が過剰に活性化していることが明らかになった。
PD-1欠損マウスに抗生物質を投与して、構成変化後の腸内細菌を除くと過剰な活性化が治まったことから、腸内細菌の構成が不適切になると、全身の免疫系の過剰な活性化につながることも確認されたのである。
今回の研究では、「PD-1」が「IgA抗体」の質を制御して腸内環境のバランスを保っていることが判明した。また、「IgA抗体」の結合力低下が引き起こす腸内環境のアンバランスな状態は、全身の免疫系の過剰な活性化につながることを明らかにし、自己免疫疾患などの病態を悪化させている可能性も示された。
注)サイトカインとは、細胞同士の情報伝達に関わるさまざまな生理活性を持つ可溶性タンパク質の総称で、さまざまな細胞から分泌され、標的細胞の増殖・分化・細胞死を誘導する。炎症性サイトカインは、体内への異物の侵入を受けて産生され、生体防御に関与する多種類の細胞に働きかけ、炎症反応を引き起こす。
■ビタミンD、免疫に重要な役割 ― 2011年11月30日
NikkeiNet いきいき健康 海外ニュース 2011/10/25
UCLA David Geffen医学部整形外科教授のJohn Adams氏やMario Fabri博士らが、医学誌「Science Translational Medicine」オンライン版に10月12日に発表したところによれば、結核(TB)などの感染症と闘う身体の能力において、ビタミンDはヒトの免疫反応と関係しており、癌や自己免疫疾患の防御にも有用であるという。
研究の結果、身体が感染と闘う能力に重要な白血球またはT細胞は、ビタミンDレベル(濃度)が十分でなければ適切に機能しないことが判明。一方、ビタミンDが欠乏していなければ、TB菌は85%減少した。ビタミンDは、先天性免疫系(自然免疫)と後天性免疫系(獲得免疫)の両方を支持する上で重要な役割を果たすことが示された。この知見は、補充によるビタミンDレベルの上昇が結核など感染症に対する免疫反応を改善することを示唆しているという。
T細胞はインターフェロンを放出し、それが感染した細胞(マクロファージ)を活性化させTBを死滅させるカテリシジンcathelicidinなどの蛋白を産生し、この蛋白が確実に細胞内の細菌が生息する部位に直接的に送られるように作用することが判明した。
▼原文:Research Sheds Light on Vitamin D's Role in Immunity
■R-1乳酸菌 腸内整え免疫力アップ ― 2011年10月16日
毎日新聞 > ライフスタイル > 健康 アーカイブ 2011/09/19
奥村康・順天堂大医学部特任教授(免疫学)と井上文夫・有田共立病院(佐賀県有田町)院長が、8月上旬、東京都内で風邪やインフルエンザに負けない免疫力を維持するにはどうすればよいかというテーマで講演し、 井上院長は、R-1乳酸菌を含むヨーグルト飲料の摂取がインフルエンザの感染防止になる調査結果を発表した。
◇有田町と周辺地域のインフルエンザ感染率(有田共立病院まとめ)
小学生 中学生 有田町 0.64% 0.31% 伊万里市 9.74% 1.66% 武雄市 10.48% 7.06% 嬉野市 1.90% 1.31% 佐賀県平均 4.37% 2.57%
◇腸を元気にする奥村式健康法◇
- 悩みがあれば、誰かに打ち明ける
- 体を動かすと気がまぎれる。歩く、頭のマッサージ、雑巾がけなど全身を動かす
- 冷え性は大敵。ヨーグルトを電子レンジで温めて食べたり、おへそにホットシャワーをあてたりする
- 自分でおなかを動かしたり、腸をマッサージしたりする
- 1日に1回は爆笑する
- 早起きして日光を浴びる
- 何事もほどほどにし、くよくよしない
- 夜更かしをしない
- ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆やキノコなどをよく食べる
■昆布ぬめりでインフル予防 ― 2010年10月06日
■腸内細菌が関節リウマチを誘発 ― 2010年07月07日
健康美容EXPO > 健康美容EXPOニュース > 海外ニュース:TOP > 徴候・症状 2010/06/17
米ハーバード大学(ボストン)医学部病理学教授のDiane Mathis氏らが、医学誌「Immunity(免疫)」6月25日号に発表したところによれば、マウスを使った実験で、腸内細菌が関節リウマチ(RA)の原因となりうる免疫反応を誘発する可能性があるというが、今回の知見は自己免疫疾患の新たな見方につながり、新たな治療法や予防法をもたらす可能性があるという。今回の研究は、遺伝的に関節炎を発現しやすいマウスを無菌環境で飼育した。これらのマウスでは通常の環境で飼育したマウスに比べて関節炎を引き起こす抗体が少ないが、マウスを非無菌環境に置き、一般的な腸内細菌の分裂した糸状体を胃に送り込んだところ、直ちに抗体を作り始め、4日以内に関節炎が発現したというもの。Mathis氏によれば、「細菌感染を介して関節炎に“罹患する”のではなく、むしろ、遺伝的に感受性の高い状況で、細菌がプログラムの展開を誘発する。今回の場合、細菌はマウスに、ある種の白血球をより多く作らせ、これらの細胞が脅威をもたらす抗体であるとして免疫系が反応し、関節リウマチを引き起こした。」と説明している。
米マイアミ大学ミラー医学部内科教授のNancy Klimas博士は、反応性関節炎と呼ばれ、ライター症候群として知られる重症型の関節炎が遺伝的感受性により生じ、感染に誘発されることを指摘し、腸内細菌を変化させることで、これらの疾患の一部を予防または治療できる可能性があると述べている。(HealthDay News 6月17日)
■梅干しにインフル抑制効果…ポリフェノールの一種 ― 2010年06月07日
和歌山県立医大准教授と和歌山高専助教が確認県内の梅加工業者5社からの寄付で、梅が健康に与える効果について研究している、和歌山県立医科大の宇都宮洋才准教授(病理学)と、国立和歌山高専の奥野祥治助教(天然物化学)が、梅干しから抽出された新発見のポリフェノールの一種「エポキシリオニレシノール」が、インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があることを確認したと、6月1日発表した。
新型インフルエンザと同じ「H1N1型」のウイルスに感染させた培養細胞に新化合物のエキスを加え、約7時間後、化合物を加えなかった培養細胞と比較した結果、ウイルスの量が約1/10になった。梅干し5個/日 分の化合物を摂取すれば、インフルエンザに罹り難くなる効果が見込めるという。
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