■リノール酸の摂取増加で死亡リスクが上昇 ― 2013年03月08日
リノール酸の摂取増加で死亡リスクが上昇
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201302/529109.html
Nikkei Medical Online ニュース 2013/02/20
Nikkei Medical Online ニュース 2013/02/20
飽和脂肪の代替として紅花油の摂取量を増やしたランダム化比較試験
米国立衛生研究所(NIH)のChristopher E. Ramsden氏らが、BMJ誌電子版・2013年2月5日に発表したところに依れば、飽和脂肪酸の代替として多価不飽和脂肪酸の一種であるリノール酸の摂取量を増やすと、全死因死亡、心血管死亡、冠疾患死亡リスクが上昇する可能性があるという。
これまで、オメガ3系の不飽和脂肪酸(エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸など)の摂取が心血管リスクに及ぼす影響を調べたRCTは数多く、好ましい結果も複数あったが、飽和脂肪酸をオメガ6系の不飽和脂肪酸であるリノール酸に置き換えた場合の心血管保護効果や生存への利益を示したRCTは無かった。
著者らは、オメガ3系脂肪酸の影響を極力排除して、オメガ6系脂肪酸摂取の心血管二次予防と生存への影響を明らかにすべく、豪州・Sydney Diet Health Studyのデータを分析対象に選んだ。このRCTは、1966~73年に行われた単盲検の試験で、介入群に対し飽和脂肪酸の代替として他の多価不飽和脂肪酸を含まず「リノール酸のみ」を含む紅花油を摂取するよう指導していた。このSydney Diet Health Studyに登録されたのは、30~59歳の男性458人。登録患者の86%が心筋梗塞、残りは急性冠不全または狭心症の既往を持ち、イベント発生から中央値11週の時点で試験に登録されていた。
介入群の221人は、飽和脂肪(動物性脂肪、マーガリン、ショートニング)の摂取を摂取熱量の10%未満に、コレステロールの摂取は1日に300mg未満に減らす一方で、摂取熱量の約15%を紅花油と紅花油マーガリンから取るよう指導されていた。対照群の237人には食事指導は行われず、特別な食品の提供も無かった。
介入群 対照群 備考 追跡期間中の評価 多価不飽和脂肪酸の比(多価/飽和) 1.72 0.63摂取熱量(中央値) 2256kcal 2194kcalコレステロール摂取量 238mg/日 331mg/日12カ月時点の血中総コレステロール値 243.9mg/dL 266.5mg/dL両群間に有意な差が有り 累積全死因死亡率 17.6% 11.8%ハザード比 1.62
両群間に有意差有り心血管死亡率 17.2% 11.0%ハザード比 1.70、両群間に有意差 冠疾患死亡率 16.3% 10.1%ハザード比 1.74、両群間に有意差
登録患者全員を対象に、摂取した飽和脂肪に対する多価不飽和脂肪酸の比(多価/飽和)が1ポイント上昇するごとの調整ハザード比を求めたところ、全死因死亡は1.53、心血管死亡は1.58、冠疾患死亡は1.44だった。
さらに、リノール酸の影響を調べた過去の研究に今回の分析結果も加えて、合計3件のRCTを対象とするメタアナリシスを行った結果、介入群で冠疾患死亡リスクと心血管死亡リスクが上昇する傾向が見られる一方で、オメガ3系多価不飽和脂肪酸の摂取量も多い試験も加えた4件のメタアナリシスでは、心血管死亡リスクの減少傾向が見られたという。
今回、心血管二次予防を目的として飽和脂肪酸をオメガ6系多価不飽和脂肪酸に置き換える食事が、死亡リスクを上昇させる可能性が示されことは、飽和脂肪酸の代わりに不飽和脂肪酸の摂取を増やすべきという食事指導に重大な影響をもたらすかもしれない。
▼原題は、「Use of dietary linoleic acid for secondary prevention of coronary heart disease and death: evaluation of recovered data from the Sydney Diet Heart Study and updated meta-analysis」
■ビタミンや抗酸化サプリに心血管疾患の予防効果なし ― 2013年03月06日
ビタミンや抗酸化サプリに心血管疾患の予防効果なし
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/bmj/201302/528926.html
Nikkei Medical Online ニュース 2013/02/08
Nikkei Medical Online ニュース 2013/02/08
韓国ソウル大学校のSeung-Kwon Myung氏らが、BMJ誌2013年1月18日号に報告した研究に依れば、ビタミンや抗酸化サプリメントの心血管イベントに対する影響を調べた結果、どのサプリメントにも有意な予防効果が認められなかったという。
野菜や果物を積極的に食べると心血管リスクが低下するという研究結果に基づいて、それらに含まれるビタミンや抗酸化物質をサプリメントとして使用した場合の影響は、一貫した結果は得られていなかった。著者らは、ビタミンサプリメントと抗酸化サプリメントの心血管疾患予防効果を評価するために、RCTを対象にシステマテックレビューとメタアナリシスを行った。
PubMed、EMBASE、コクランライブラリ、Scopus、CINAHL、ClinicalTrial.govに登録されていた研究の中から、ビタミン又は抗酸化サプリメントの心血管疾患予防効果を評価し、追跡期間が6カ月以上の50件のRCTを抽出し分析した。これらのRCTには、合計294,478人が登録され、うち156,663人が介入群、137,815人が対照群に割り付けられていた。
追跡期間は6カ月~12年で、各RCTへの登録者の数は61~3万9876人だった。30件が心血管疾患の一次予防効果を調べており、二重盲検試験は45件で、5件はオープンラベル試験だった。評価対象は、ビタミンA・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・βカロテン・葉酸・セレンで、単剤投与若しくは併用されており、評価指標の主要な心血管イベントは、心血管死亡・狭心症・致死的又は非致死的心筋梗塞・脳卒中・一過性脳虚血発作等。
固定効果モデルを用いたメタアナリシスは、介入群の相対リスクは1.00で、ビタミンサプリメントや抗酸化サプリメントの使用と主要な心血管イベントのリスクには有意な関係は見られなかった。
サブグループ解析では、一次予防若しくは二次予防、ビタミンと抗酸化サプリメントの種類と用量・心血管アウトカムの種類(心血管死亡・狭心症・致死的または非致死的心筋梗塞・脳卒中・一過性脳虚血発作)・試験設計・研究の質・試験期間(5年未満・5年以上)・資金源(製薬会社・それ以外)・ビタミンサプリメントと抗酸化サプリメントの提供者(製薬会社・それ以外)・対照群のタイプ(プラセボ投与の有無)・個々の研究の登録者数(1万人未満・1万人以上)等にて登録者を層別化して分析したが、ビタミンサプリメントと抗酸化サプリメントによる心血管イベントの予防効果は示されなかった。
尚、心血管アウトカムの種類で層別化したサブグループ解析では、ビタミンサプリメントや抗酸化サプリメントの使用は、狭心症リスクの僅かな上昇に関係していることが示唆された。又、低用量のビタミンB6の使用は、主要な心血管イベントリスクを低下させたが、これらの有意差は、質の高いRCTのみを解析対象にすると消失した。 質の高い試験において、ビタミンB6の使用は心血管死亡リスクの低下と関係し、ビタミンEの使用も心筋梗塞リスクの低下と関係していた。但しこれらの有意差は、製薬会社からサプリメントの提供を受けていた研究のみに認められ、サプリメントを購入または別の組織から調達していた研究では認められなかった。
▼原題は、「Efficacy of vitamin and antioxidant supplements in prevention of cardiovascular disease: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials」
■ココアはショウガと同程度、冷え性抑制効果があることを解明 - 森永製菓 ― 2013年02月16日
ココアはショウガと同程度、冷え性抑制効果があることを解明 - 森永製菓
森永製菓の情報サイト「Cacao Fun」にて、ココアに関する機能性研究の結果について公開した情報によると、冷え性を抑制する食品として代表的な「ショウガ」と「ココア」を比較したところ、「ココア」が「ショウガ」と同程度の冷え性抑制効果があることを解明したという。
2002年には、「ココアの冷え性改善効果」と言うタイトルで発表を行い、「コーヒー」や「緑茶」等の嗜好飲料と比べ、「ココア」が最も体末梢部(手足)の血流を改善し、冷え性を抑制する効果が高いことを解明。
2012年には、「ショウガ」と「ココア」を比較し、冷え性と判断された健常な女性を対象に、冷え性を抑制する効果を検証した。
この検証実験は、何もしない状態では体の末梢部温度が次第に下がる室温23~24℃において、約70℃・100mlの純ココア+牛乳、及びショウガ+牛乳を用意し、健常な成人11名(冷え性と判断された人)を対象に試験飲料を摂取後、手の甲の表面を5分間隔で、首表面・額表面・ほお表面・鼻表面の温度変化を10分間隔で医療用サーモグラフィーで測定した結果、飲用後の手の甲と鼻の表面温度については「ショウガ」の方が温度上昇の立ち上がりが速く、上昇程度が高かった。しかし、急速に温度低下も始まったという。
一方「ココア」は、温度の低下が穏やかで体温の持続性が高かった。「ココア」は「ショウガ」より約0.5度高い表面温度を維持することが確認できたことで、「ココア」と「ショウガ」は冷え性抑制効果の表れ方に違いはあるが、冷え性を抑制する食品であることが判明した。
この「ココア」がゆっくりと長く冷えを抑制する効果は、副交感神経に作用するココアならではの効果で、ココアに含まれるデオブロミンやポリフェノールの血管拡張作用により、特に手や足の先の血液循環を改善することで、長く冷えを抑制できると考えられるという。
■骨粗鬆症予防にミカン 黄色い色素が骨を増やす ― 2013年01月19日
骨粗鬆症予防にミカン 黄色い色素が骨を増やす
12月20日付けの米科学誌プロスワンに発表された果樹研究所の杉浦実主任研究員らの研究によれば、ミカンをよく食べることで、ミカンを黄色くする色素であるβクリプトキサンチンに骨を増やしたり減少を抑えたりする働きがあり骨粗鬆症を予防できることを明らかにしたという。
女性が閉経にてホルモンのバランスが変わると、骨粗鬆症にかかり易くなるが、温州ミカンの産地・浜松市の三ケ日町地域で行ってきた研究から、ミカンを多く食べる女性の骨粗鬆症患者が少ない傾向も判っていた。そこで、この地域の閉経後の女性212人で、βクリプトキサンチンの血中濃度と骨粗鬆症の関連を調べたところ、ミカンを毎日4個食べることに相当する血中濃度の人は、ミカンを食べない日がある人よりも、骨粗鬆症にかかるリスクが92%低いことがわかった。
≪関連ニュース≫
ミカンが閉経後の骨粗しょう症を防止!?
http://news.mynavi.jp/news/2012/12/27/076/index.html
■花王、コーヒーポリフェノールに体脂肪低減作用があることをヒトで実証 ― 2013年01月01日
花王、コーヒーポリフェノールに体脂肪低減作用があることをヒトで実証
花王が12月6日に発表したところによれば、コーヒー豆に含まれるポリフェノール「クロロゲン酸類」に、血管壁の収縮・弛緩を調節して血圧を正常に保つなどの「血管内皮機能」を改善する作用があることを見出したという。この成果は、同社ヒューマンヘルスケア研究センター・ヘルスケア食品研究所と生物科学研究所によるもので、世界のコーヒー関連研究者が集う「第24回 国際コーヒー科学会議(ASIC)」にて発表した。
1.「クロロゲン酸類による血管内皮機能改善」について成人男性20名を対象に、クロロゲン酸類を140mg/日 摂取できる試験飲料とクロロゲン酸類を含まない飲料を継続摂取した際の、血管拡張反応を指標とした血管内皮機能を、1カ月毎に4カ月間にわたり測定を行った結果、試験飲料を摂取した群で血管内皮機能の改善が認められた。
2.「クロロゲン酸類による血圧改善と酸化成分の影響」について血圧が正常高値及びI度高血圧者(収縮期血圧が140-159mmHgまたは拡張期血圧が90-99mmHgの範囲)の成人男女(100名)を対象に、クロロゲン酸類を300mg/日 摂取できる試験飲料(クロロゲン酸類を含み、酸化成分(ヒドロキシヒドロキノン)を低減した焙煎コーヒー)と、クロロゲン酸類を含まず酸化成分を低減した焙煎コーヒー(対照飲料I)を12週間継続摂取した際の収縮期血圧の測定を行った結果、クロロゲン酸類を摂取することで血圧の改善が認められたという。
3.「クロロゲン酸類による体脂肪低減」について
また、クロロゲン酸類を含み酸化成分を低減していない焙煎コーヒー(対照飲料II)を摂取した群(47名)においては、血圧の改善は認められず、酸化成分の影響が確認されたとことにより、血圧改善作用を十分に発現させるには、クロロゲン酸類を豊富にすると共に焙煎工程で生じる酸化成分を低減させたコーヒーが有効であることが示された。平均BMI 27.7の成人男女(109名)を対象に、クロロゲン酸類を300mg/日 摂取できる試験飲料(クロロゲン酸類を含み、酸化成分を低減した焙煎コーヒー)と、クロロゲン酸類を含まず酸化成分を低減した焙煎コーヒー(対照飲料I)を12週間継続摂取した際の身体指標の測定を実施した結果、試験飲料群に体重・体脂肪(腹部脂肪)の低減が認められたとのことで、クロロゲン酸類の継続摂取によりエネルギー消費、特に脂質燃焼量が有意に増加することが確認されていることから、体脂肪の低減は体内での脂肪消費を高める作用によるものと考えられる。
■ビールのホップに動脈硬化予防効果 ― 2012年12月18日
ビールのホップに動脈硬化予防効果
北海道大学大学院保健科学研究院の千葉仁志教授や同大学院医学研究科の伊敏・助教らとサッポロビール(株)が、米科学誌「プロスワン」(オンライン版)に11月16日に発表したところに依れば、ビール原料のホップに含まれる成分「キサントフモール」に動脈硬化を予防する効果があることが、マウスを使った研究で分かったという。
キサントフモールには、ガン細胞の増殖抑制作用や、抗変異原活性、抗HIV作用などの生理活性があることが国内外の研究で知られている。
動脈硬化を防ぐには、血清中の総コレステロール値の低下のほか、“善玉”の「HDLコレステロール」値を上げることが、普段の健康管理で必要になる。
HDLコレステロールは、肝臓や小腸で合成され血清中に存在する「コレステリルエステル転送蛋白(Cholesteryl ester transfer protein, CETP)」によって、“悪玉”の「LDLコレステロール」や超低比重リポ蛋白に転送されて量が減ってしまう。
研究は、CETPの遺伝子を導入したマウスに、キサントフモール(0.05%)とコレステロール(1%)を混和した餌を18週間摂取させ、血清中のHDLコレステロール値とCETP活性を測定した結果、キサントフモール入りの餌を摂取したマウスでは、HDLコレステロール値が増加し、CETP活性は低下した。更に、動脈硬化を測定する際の指標部位の「胸部大動脈弓」で総コレステロールの蓄積量を測定したところ、キサントフモールの摂取により、有意に蓄積量が減少していたことから、キサントフモールには、CETP活性を阻害し、動脈硬化を予防する効果があることが分かったというもの。
■マルチビタミン常用は癌の罹患リスクをわずかに下げる ― 2012年11月23日
マルチビタミン常用は癌の罹患リスクをわずかに下げる
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201211/527573.html
Nikkei Medical Online ニュース 2012/11/08
Nikkei Medical Online ニュース 2012/11/08
米Harvard大学医学部のJ. Michael Gaziano氏らが、JAMA誌電子版に2012年10月17日に報告した研究によれば、マルチビタミンを長期間常用すると、癌の罹患リスクが8%低下することが、米国男性医師を対象とした大規模な二重盲検無作為化試験で分かったという。
数あるサプリメントの中で最も広く利用されて、米国の成人の少なくとも1/3はマルチビタミンを使用している中、これまでもマルチビタミンの使用とあらゆる癌や特定の癌の罹患率、死亡率の関係を調べた観察研究はあったが、一貫した結果は得られていなかった。著者らは、米国男性医師を対象に実施したPhysicians’ Health Study IIから、今回、癌の罹患や死亡とマルチビタミンの関係を分析したもの。
今回の二重盲検無作為化試験の対象は、50歳以上の男性医師14,641人(平均年齢64.3歳、平均BMI 26.0、現在喫煙者は3.6%)。1,312人(9.0%)は癌の既往を持っていた。7317人がマルチビタミン、7324人が偽薬に割り付けられ、1997年~2011年6月1日まで追跡された。
ビタミン群の男性のあらゆる癌の罹患リスクは、偽薬群に比べて有意に低かった。
癌全体の半数強を占めた前立腺癌の罹患率には、差はなかった。
その他の部位特異的な癌の罹患率は、いずれも有意差を示さなかった。
ベースラインで癌の既往があった男性とそうでない男性を分けて、あらゆる癌の罹患率を比較した。癌の既往ありの1,312人では、ビタミン群の方が癌罹患率が有意に低かった。一方、癌の既往がなかった13,329人については、ビタミン群に有意な癌罹患リスクの減少はみられなかった。癌の既往の有無とマルチビタミンの癌罹患リスク低減作用の間には有意な交互作用は見られなかった。
▼原題は、「Multivitamins in the Prevention of Cancer in Men: The Physicians' Health Study II Randomized Controlled Trial」
■糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」の違いって? ― 2012年11月11日
食品表示に気をつけろ!/「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」の違いって?
▼糖類は糖質の一部、共に100ml当たり0.5g未満なら「ゼロ」表示
「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」、似通った表現だが、一体どこが違うのか?。
要するに、
・糖類というのは、糖質の一部である。
・一般的に糖分としてイメージする砂糖は、糖類に分類される。
更に、健康増進法に基づく栄養表示基準により、糖質・糖類共に「100ml当たり0.5g未満であればゼロ表示が可能」ということ。
▼甘味料や基準値内の糖類で「ゼロ」表記上記3つのポイントを頭に入れて原材料表示を見ると、「糖類ゼロ」でも甘味料、「糖質ゼロ」でも糖類が含まれている。
・糖類の使用を避け甘味料を用いることで「糖類ゼロ」表示。
・糖アルコールや甘味料を使わず、ゼロ表示への基準値(0.5g/100ml)内で糖類を使用することで「糖質ゼロ」表示が出来る。
「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」で考えられる原材料を、以下に纏めると、
「糖類ゼロ」
・添加物としての基準値内の甘味料を使用
・ゼロ表示への基準値内の糖類を使用
「糖質ゼロ」
・ゼロ表示への基準値内の糖類を使用
・ゼロ表示への基準値内の甘味料を使用
・ゼロ表示への基準値内の糖類+甘味料を使用
つまり、基準値内で糖類や甘味料を使用した場合は、「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」共に示可能という場合が出てくるので、どちらを選んだらいいのか? 甘味料まで少なく制限できる「糖質ゼロ」の方が無難かもしれないが、「ゼロだから大丈夫」ではなく「ゼロでも適量」を心掛けることではないかと結んでいる。
■ポリフェノールに食品アレルギー予防効果 ― 2012年09月22日
ポリフェノールに食品アレルギー予防効果
山梨大医学部の中尾篤人教授(免疫学)らの研究グループが、9月4日付の米オンライン科学誌「プロスワン」に発表した研究の依れば、 赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種で老化防止効果や抗酸化作用などがあるとされる「レスベラトロール」に、食品アレルギーの予防効果があることをマウスの実験で突き止めたという。
今回の研究では、卵アレルギーを持つ体質に変化させたマウスに、レスベラトロール入りの餌を1週間食べさせ、その後に卵を与えたところ、通常の餌を与えたマウスに比べてアレルギー反応が1/10程度だったという。卵以外の食品アレルギーにも効果があるとみられる。
今回、マウスに投与した量を人間に換算すると約1g/日で、サプリメント数粒で摂取できる量だという。
■胆汁酸の排出で肥満や糖尿病が改善 ― 2012年09月17日
胆汁酸の排出で肥満や糖尿病が改善
慶應義塾大学大学院の渡辺光博教授とスイスのローザンヌ工科大学の研究チームが、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」と米科学誌「プロス・ワン(PLos ONE)」に発表した研究に依れば、肝臓から腸に分泌される「胆汁酸」の体外排出を促し、高コレステロール血症治療薬として使われている「胆汁酸吸着レジン」が肥満や2型糖尿病などを改善するメカニズムを解明したという。
日本古来の食物繊維を多く含むモズクやコンニャク等にも胆汁酸吸着作用があることから、「これらにもメタボリック症候群発症の予防効果があると考えられる」という。
肝臓でコレステロールから合成される胆汁酸は、腸管内での脂質の消化吸収を助けるが、長く腸内に残ると機能が低下し、新しい胆汁酸の合成も抑えられてしまうため、腸管内で古い胆汁酸をレジン(樹脂)に吸着させて、便と一緒に体外に排出させると、新たな胆汁酸の合成が促進され、血中のコレステロール値が低下し、脂肪肝の抑制にもつながる。
こうした効果を持つ「胆汁酸吸着レジン」は、2008年に米国でインスリンの分泌減少などによって起きる2型糖尿病の治療薬として適応が追加されたが、詳しい作用のメカニズムは明らかではなかった。
今回のマウスを使った実験では、胆汁酸吸着レジンによって新しい胆汁酸の合成を促すと、エネルギー代謝が高まって脂肪燃焼や血糖値低下が進み、糖尿病も改善した。さらにインスリンの分泌促進に関係するホルモンも増えることが分かった。
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