■腸内細菌と免疫系の支えあいを発見 ― 2015年01月14日
腸内細菌と免疫系の支えあいを発見
http://scienceportal.jp/news/newsflash_review/newsflash/2014/07/20140714_02.html
JST > CSC > サイエンスポータル > ニュース > 速報・レビュー一覧 2014/07/14
JST > CSC > サイエンスポータル > ニュース > 速報・レビュー一覧 2014/07/14
米科学誌Immunity7月10日付のオンライン版で発表された、理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター(横浜市)のシドニア・ファガラサン(Sidonia Fagarasan)チームリーダーと東京大学大学院新領域創成科学研究科の服部正平(まさひら)教授らの共同研究チームの研究報告に依れば、腸内に生息する膨大な細菌と免疫系との間で、支えあうように相互の制御が行われていることマウスの実験で確かめた。腸内細菌を利用した健康維持や治療法につながる発見といえるという。
ヒトの腸管内には、500~1000種類、総数100兆個もの腸内細菌が共存している。この腸内細菌叢が腸管の免疫系を適切に活性化して、ヒトの健康は維持されているが、バランスのとれた腸内細菌叢を形成・維持するのに免疫系がどのように作用しているのか、逆に、バランスのとれた腸内細菌叢が免疫系にどのような影響を及ぼしているのかについて詳細な仕組みは分かっていなかった。
共同研究チームは、免疫系が機能していない免疫不全マウスで、腸内細菌叢と免疫系との関係を調べたところ、免疫不全マウスでは、正常マウスに比べて腸内細菌叢の多様性が顕著に減少し、その構成も大きく変化していた。 免疫系(特にT細胞、B細胞を中心とした獲得免疫系)が腸内細菌叢のバランスを維持するのに非常に重要な役割を果たしていることが判った。
次に、免疫系がどのような仕組みで腸内細菌叢のバランスを維持しているかを探るために、免疫反応を抑制すると考えられている制御性T細胞に注目した。T細胞が欠損した免疫不全マウスに、制御性T細胞を移入したところ、腸内細菌叢の多様性が増加し、バランスのとれた腸内細菌叢を再構築することができた。
この実験で、制御性T細胞はIgA抗体の産生を介して、腸内細菌叢のバランスを制御していることが裏付けられた。免疫不全や自己免疫疾患では、制御性T細胞がうまく働かないためにIgA抗体の産生に支障をきたして、腸内細菌叢のバランスが乱れ、さまざまな病気を起こしている可能性が浮かび上がった。
更に、腸内細菌叢のバランスが免疫系に与える影響を調べた。通常の環境で飼育している3週齢のマウスに、バランスがとれた腸内細菌叢を投与すると、バランスが乱れた腸内細菌叢を投与した場合に比べて、IgA抗体が効率よく産生されることを見いだした。
これまで、免疫系は病原菌などの細菌から身を守るために、細菌を排除していると考えられてきた。しかし、従来の概念とは一見反対に、免疫系は腸内細菌叢を排除しないだけでなく、代わりに腸内細菌叢のバランスを積極的に維持することでも、ヒトの健康を保っていることが明らかになった。
河本新平研究員によれば、「我々の研究で『腸内細菌叢と免疫系との間の双方向制御によって健康が保たれている』という新しい概念を示せた意義は大きく、この新知見は、腸内細菌が影響を及ぼすと考えられるさまざまな疾患の予防や新治療法を考えるのにも役立つだろう」と期待しているという。
■腸内細菌叢と免疫系との間に新たな双方向制御機構を発見 ― 2014年11月30日
腸内細菌叢と免疫系との間に新たな双方向制御機構を発見
米国の科学雑誌『Immunity』(7月17日号)、オンライン版(7月10日付け:日本時間7月11日)に掲載された、理研統合生命医科学研究センター(小安重夫センター長代行)粘膜免疫研究チームのシドニア・ファガラサン(Sidonia Fagarasan)チームリーダー、東京大学大学院新領域創成科学研究科(武田展雄研究科長)附属オーミクス情報センターの服部正平教授らの共同研究に依れば、腸内細菌叢と免疫系との間で、制御性T細胞や腸管に存在する抗体「免疫グロブリンA(IgA抗体)産生を介した双方向制御が行なわれていることを発見したという。
ヒトの腸管内には多くの腸内細菌が共存し、バランスのとれた腸内細菌叢が腸管の免疫系を適切に活性化することでヒトの健康が維持されているが、バランスのとれた腸内細菌叢を形成・維持する上で免疫系がどのように作用しているのか、逆に、バランスのとれた腸内細菌叢が免疫系にどのような影響を及ぼしているのかの詳細は分かっていなかった。
共同研究チームは、免疫系が機能していない免疫不全マウスを用いて、腸内細菌叢と免疫系との関係について調べた結果、免疫反応を抑制する制御性T細胞が、IgA抗体の産生を介して、腸内細菌叢のバランスを制御していること、一方で、バランスのとれた腸内細菌叢が、腸管における制御性T細胞の誘導やIgA抗体の産生といった健全な腸管免疫系の形成に有効であることを発見した。また、外部からの腸内細菌の投与により人為的に腸内細菌叢および免疫系を制御できる可能性を示した。
本成果は、腸内細菌叢と免疫系との間の双方向制御によって健康が保たれているという新しい概念を示したものです。この知見は腸内細菌が影響を及ぼすと考えられるさまざまな疾患の予防や新規治療法を考える上で役立つと期待される。
■免疫力向上、腸がカギに 検査や食生活指導広がる ― 2014年05月06日
免疫力向上、腸がカギに 検査や食生活指導広がる
免疫力を高めるためには、腸の働きが大きな要素を占めることが判ってきた。有害なウイルスを排除する免疫細胞の多くは腸内にあるとされ「免疫力の8割は腸内の状態で決まる」との指摘もある。医療機関もこうしたメカニズムに注目、腸内検査や食生活の改善指導などに力をいれているという。
■血中成分で分析
東京都中央区の健康院クリニックでは2012年春から「腸内環境検査」を始めた。疲れ易かったり、皮膚がかぶれやすかったりするなど、原因が分かりにくい症状を訴える人に、約30ccを採血して血液中の成分を調べ、腸内の状態を分析する検査を勧めている。
健康な人の腸内には細菌類がバランス良く住み着いているが、不規則な食生活やストレスなどの影響で腸内の細菌バランスが崩れてしま結果、特定の食物に免疫細胞が過剰に反応してアレルギーを起こし、疲れなどの症状で現れる。長期的には動脈硬化やリウマチなどを引き起こす恐れもある。
検査でアレルギーを引き起こす食物を特定し、摂取を控えるようアドバイスし、腸内の代謝を促すビタミンB群や乳酸菌などのサプリメントの服用も促す。検査とその後の指導を通じ、じんましん症状が改善した事例もある。 料金は、アレルギーの特定などで35,000円から。月に5人程度が検査を受ける。
小金井つるかめクリニック(東京都小金井市)では、2007年から実施している免疫力を測る健診の「免疫ドック」にて、採血で腸内の免疫細胞の数や増殖力を測定し、その人が持つ免疫力を評価する。免疫力は加齢に伴い低下することから、「免疫力年齢」を調べることも可能だという。
■乳酸菌を摂取
東京大の一戸猛志准教授(ウイルス学)のマウスを使った実験では、腸内細菌の数が多い方がインフルエンザに罹った時に症状が軽く済んだり、短期間で肺の中のウイルスが除かれたりすることが分かった。細菌から出るシグナルが血液を通じて肺に達し、インフルエンザウイルスへの抵抗力を生み出す発熱などを引き起すと考えられ、そのメカニズムは完全に解明されていないが、インフルエンザへの免疫を高めることと、腸内細菌の数を増やすことが密接に関わっていると推察される。
免疫力を高める細菌としてよく知られているのは乳酸菌、この乳酸菌は免疫をつかさどるリンパ球の約2割を占めるナチュラルキラー(NK)細胞を活性化する役割を担っている。
伊万里有田共立病院(佐賀県有田町)などが2011年、小学生ら約1900人に乳酸菌入りのヨーグルトを摂取させ、インフルエンザへの感染を調査。同町の小学生の感染率は0.64%で、佐賀県全体の感染率(4.37%)を下回ったという。
順天堂大医学部の奥村康・特任教授(免疫学)に依れば、摂取した乳酸菌が腸管の内壁から体の中に取り込まれ、血中のNK細胞を刺激して活性化させる。NK細胞の活性化による免疫力の向上には「β―グルカン」とよばれる多糖を含む、シイタケなどのキノコ類も効果があるというが、ヨーグルトや乳酸菌飲料は過剰に摂取すると下痢を起こす可能性もあるので、適量を心がけたい。
■免疫力低下 加齢やストレスも要因 日ごろの対策必要
腸内環境は免疫力を決める重要な要素だが、加齢や生活習慣による部分も大きい。加齢の影響は避けられないが、日常生活の管理で気をつけるべき点は多い。
東京理科大の安部良教授(免疫学)が挙げる一例が、強いストレス。ストレスを感じると免疫の働きを抑制するホルモンを分泌する。タバコに含まれる化学物質はNK細胞などの働きを下げるので、喫煙も注意が必要。
空気が乾燥するとウイルスの侵入を防ぐ粘膜の中の細かい毛や粘液の働きを落としてしまうため、乾燥する冬場には加湿器を使用したりマスクを着用したりといった対策も有用だ。
一方、加齢に依り新たに作られる免疫細胞の量が減ったり、皮膚に含まれる水分量が減ったりして、細胞間の隙間から異物が侵入し易くなったりするので、加齢によって免疫力が一定程度低下することは仕方がないが、高齢になるにつれ、生活習慣には一層注意したい。
■ヘルシーリポート:腸内環境 悪化すると免疫力低下 ― 2014年04月26日
ヘルシーリポート:腸内環境 悪化すると免疫力低下
食物繊維、できるだけ摂取を/LB81乳酸菌ヨーグルト、腸の老化改善
健康にとって、腸の働きがいかに大事かを訴える健康セミナーが3月20日、東京都内で開かれた。加齢や不規則な食生活などで衰えていく腸内環境を若々しく保つためにはどうすれば良いのか?。
日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリストである、小林弘幸・順天堂大学医学部教授が強調したのは、「便秘が慢性化すると全身の健康に悪影響が及びます!。」
便秘とは一般に3日間以上、便が出ないか、1日の便の量が35g以下と少ないケースを指す。2010年の厚生労働省調査に依れば、年齢と共に増えるが、20~30代の女性でも5%前後は便秘だという。
慢性的な便秘は、結腸がんのリスクを高めるという研究報告もあり、たかが便秘と侮ってはいけない。
便秘の解消に下剤を長く使っていると大腸がんの発生リスクを高めるというデータもある。
小林教授は「基本的には食を含め生活習慣を変えることで便秘の解消に努めたい」と強調するが、では具体的な便秘解消術とは?
先ずは朝食をしっかりと食べる。朝食を取ると1日の体内時計がリセットされ、腸が動き始める。昼以降の食事でも、食物繊維を出来るだけ多く取るよう心がける。脂肪の多い食材は少なめにする。食事以外では日頃から、おなかをマッサージしたり、骨盤を左右に回したりするなど小まめな体操もよい。
腸をはじめ臓器の働きをコントロールしているのは自律神経のうちの副交感神経だ。副交感神経はリラックスしているときによく働く。このため、精神的なストレスや悩みは腸の働きにとってマイナスになる。
腸内には100兆個近い細菌がいると云われ、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れるのも腸の働きを悪化させる。便秘は悪玉菌を増やし、硫化水素など有害物質を発生させて、血液の汚れを促す。小林教授は「腸内環境の悪化で免疫の働きも低下する」と便秘解消10カ条の実践を勧めた。
一方、腸は口を通じて外界とつながっており、常に有害な細菌やウイルスの脅威に晒されている。悪い菌を排除する観点から、浅見幸夫・明治食機能科学研究所乳酸菌研究部長は「腸管バリア機能」の重要性を示す動物実験の結果を報告した。
腸管の表面はネバネバした「ムチン層」で覆われている。その腸管上皮にある「パネート細胞」は「抗菌ペプチド」というたんぱく質を分泌し、有害な細菌などを撃退している。これも免疫システムの一種だ。この「抗菌ペプチド」はどの菌にも同様に働くわけではなく、悪玉菌に強く働き、善玉菌にはあまり働かないという特徴を持っている。
「抗菌ペプチド」をつくる遺伝子の発現量は加齢と共に低下し、高齢マウスは若いマウスに比べ、その発現量は1/10~1/100に減るという。
そこで人間でいえば30歳前後に相当する生後8カ月のマウスにLB81乳酸菌ヨーグルトを20カ月間、摂取させ、ヨーグルトを食べなかった高齢マウスや若いマウスと比べ、抗菌ペプチドをつくる遺伝子の発現量に差が出るかを調べた結果、LB81乳酸菌ヨーグルトを食べた高齢マウスは若いマウスと同じくらいに遺伝子の発現量があった。一方、ヨーグルトを摂取しなかった高齢マウスは若いマウスに比べて、遺伝子の発現量は低下していた。
LB81乳酸菌は、別のマウスの実験でも、動脈硬化や糖尿病にも結びつく慢性的な炎症の指標となる炎症性サイトカイン(生理活性物質)の生成を抑制することも分かった。
マウスでの実験結果が、人間に当て嵌まるのかは今後の研究課題だが、小林教授に依れば「ヨーグルトを食べている患者の例から言えば、効果が出るのに1カ月程度は必要では」と会場からの質問に答えていた。
明治と共同研究する仏のパスツール研究所のジェラール・エベール主任研究員も、TV会議で講演した。LB81乳酸菌ヨーグルトを与えた高齢マウスの実験結果について、「リンパ球の一種のT細胞など免疫細胞の働きにも良い作用があり、腸の老化が改善された。」と語った。
◇便秘解消10カ条(小林弘幸教授提案)
- 食物繊維を多く取る
- 朝、水や牛乳を飲む
- 食事は規則的にする
- 体を動かす
- 1日1回トイレに行く
- おなかをマッサージする
- ストレスを溜めない
- トイレを我慢しない
- 下剤に頼らない
- 困ったときは専門医へ
■腸は老化のバロメーター(4)腸が誇る「免疫」と「腸管バリア機能」 ― 2014年04月22日
腸は老化のバロメーター(4)腸が誇る「免疫」と「腸管バリア機能」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140324/bdy14032409450000-n1.htm
mns 産経ニュース > ライフ > からだ 2014/03/24
mns 産経ニュース > ライフ > からだ 2014/03/24
腸には食べ物に混じってウイルスや細菌などさまざまな外敵が入り込んでくるため、外敵をブロックする「免疫機能」が臓器の中で最も発達している。主な免疫細胞であるリンパ球、免疫グロブリンの半数以上が腸に集まっている。
他に腸の防御システムとして見逃せないのが「腸管バリア機能」。腸内には1千種類以上、数にして100兆個以上の細菌が生息し、これらは、「善玉菌」、「悪玉菌」、どちらにもなりうる「日和見菌」の3つに大別できるが、「善玉菌」と「悪玉菌」は一方が増えると他方は減少し、腸内で絶えず激しい生存競争を繰り広げている。
「悪玉菌」は、腸内の物質を腐敗させ代謝の過程で有害物質を生み出す。この悪玉菌が優勢になると腸内環境は悪化し、体の不調として現れる。
「腸管バリア機能」とは、悪玉菌が生み出した有害物質、口から取り入れたウイルスや細菌などが腸壁から体内に吸収されないようにブロックするガード機能のことで、健康維持に大切な役割を果たす。
最近の研究では、乳酸菌やビフィズス菌が腸の炎症を防ぎ、腸管バリア機能を向上させることが確認されている。また、腸内に分布する免疫細胞に働きかけ、免疫細胞の老化を防ぐことが分かってきている。
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■天気が悪くなるとリウマチが痛むのには科学的な根拠があった - 京大 ― 2014年03月08日
天気が悪くなるとリウマチが痛むのには科学的な根拠があった - 京大
京大 医学研究科附属 ゲノム医学センターの寺尾知可史 特定助教、同・病院 リウマチセンターの橋本求 特定助教らの共同研究チームが、米国東部時間1月15日付けで米オンライン科学誌「PLoS ONE」に発表したところに依れば、同大学の医学部附属病院に通院しているリウマチ患者のデータベース「KURAMA(Kyoto University Rheumatoid Arthritis Management Alliance)コホート」と、気象庁がホームページにて公開している気象統計情報(気圧、気温、湿度)との相関を統計学的に解析し、同患者の関節の腫れや痛みの指標と、気象データの「気圧」との間に、負の相関が見られる(気圧が低いほど、関節の腫れや痛みの指標が悪化する)ことを見出したという。
関節リウマチは、関節に炎症が起こり腫れて痛む病気で、女性に多く、全人口の約1%が罹患し、日本全国でも70万人の患者がいるとされる(毎年1万5000人が新たに発病しているという)。進行すると関節が変形し使えなくなってしまうため、患者の日常生活に重大な支障を来してしまい、QOLが大きく下がってしまう病気である。
原因はまだ十分には解明されていないが、自分の体の一部にも関わらず、免疫系が関節を外敵と間違って攻撃してしまうことが原因とされている。但し、近年になり、腫瘍壊死因子「TNF-α(Tumor necrosis factor-α)」という炎症を引き起こす物質が関わっていることが同定されたことから、治療法が大きく進展し、TNF-αをターゲットとした治療薬(生物学的製剤)が既に利用され、治療成績が目覚ましく進歩してきている。
関節リウマチ患者の間では、昔から「天気が悪くなるとリウマチが悪化する」とか「リウマチの痛みが悪化することで、これから天気が悪くなるのが判る。」という実感があることは、よく知られていた。しかし、単なる個々人の実感だけなのか、統計学的に見た時に、気象との相関が事実として見られるのかは、これまでに研究されたことがなかった。
研究チームは、KURAMAコホートに登録されている関節リウマチ患者の臨床データと、気象庁の気象データとの相関を解析することにし、評価回数の多い患者を抜き出し、同一患者における関節症状の各要素と、気象における各要素との相関を調べた結果、以下の4点が判った。この結果は、リウマチ患者の実感ともよく合致するものだという。
- リウマチ患者の関節の腫れや痛みの指標と、気象データの内の「気圧」とは統計学的に負に相関する。
(気圧が低いほど、関節リウマチの腫れや痛みの指標が悪化する)。- 「湿度」も相関するが、「気圧」は「湿度」「気温」の影響を加味しても相関する。
「気温」との間には相関が見られなかったという。- リウマチの評価日から見て、3日前の「気圧」が最もよく相関する。
- 血液検査の炎症を表す数値との間には、相関が見られない。
■インフルの季節、乳酸菌飲料PR 効用うたわず工夫 ― 2014年01月25日
インフルの季節、乳酸菌飲料PR 効用うたわず工夫
インフルエンザの季節を迎え、乳酸菌を含んだ飲料の市場が活気づいている。予防などに「効き目」があると注目されているためで、でも商品の効能や効果を謳うことは薬事法で禁止されているため、各社は売り込みに工夫を凝らしている。
「ヨーグルトR-1」は、明治が2009年12月に発売。乳酸菌の整腸作用はよく知られているが、「R-1」は、ウイルスと闘う免疫細胞を活性化するとされる「1073R-1乳酸菌」を含む。2012年頃からTVで、「効き目」が取り上げられて評判に。2012年度は2010年度の約20倍も売れたという。
キリンビバレッジは、2013年12月、「プラズマ乳酸菌」シリーズを大幅に拡充。「風邪や受験の季節を意識して発売時期を決めた」(広報)。シリーズの炭酸飲料「守って!力水」は「受験生を応援」とPRする。
カルピスは、2013年9月、乳性飲料「守る働く乳酸菌」を売り出した。
両社は、効果や効能は直接PRしていないが、乳酸菌の研究結果はホームページなどで積極的に紹介している。
ヤクルト本社は、2013年9月、22年ぶりにリニューアルした「Newヤクルト」の価格を引き上げ、乳酸菌の量を33%増やした。乳酸菌シロタ株には、免疫を高める効果があるという。競合他社の相次ぐ参入を、「この分野への関心が高まり、商品力が評価されるよい機会になる」と歓迎している。
- 明治「ヨーグルトR-1」・・・強さ引き出す乳酸菌
- キリンビバレッジ「キリン 守って!力水」・・・休めない受験生に向けた「応援炭酸」
- カルピス「守る働く乳酸菌」・・・「カラダの中から、より強く」
- ヤクルト本社「Newヤクルト」・・・「悪い菌を減らす乳酸菌 シロタ株が200億個」
- 伊藤園「朝のYooフェカリス菌1000」・・・「毎朝、おいしく手軽にお飲みいただける乳酸菌入り清涼飲料」
- カゴメ「植物性乳酸菌ラブレ プレーン」・・・「腸で生きぬく力が強い」
■L.ガセリ乳酸菌OLL2809株のストレス軽減免疫腑活効果を確認 / 明治 ― 2013年05月07日
L.ガセリ乳酸菌OLL2809株のストレス軽減免疫腑活効果を確認 / 明治
http://news.e-expo.net/release/2013/03/post-138.html
健康美容EXPO > 健康美容EXPOニュース > ニュースリリース:Top > 原料 > 2013/03/26
健康美容EXPO > 健康美容EXPOニュース > ニュースリリース:Top > 原料 > 2013/03/26
(株) 明治は、同社の保有するL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、ストレスを軽減し免疫の低下を抑えることを、ストレスをかけた動物試験と、激しい運動を行った臨床試験で明らかにし、2013年3月25日の「日本農芸化学会2013年度大会」で発表した。
■研究1 ストレスによる免疫低下に及ぼす影響ラットに、水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を14日間与え、最後の5日間、ケージの底面から1.5cmの高さまで水を張り、ラットに浸水ストレスを掛けた結果、水を与えたラットでは、浸水ストレスによりストレスホルモンである血中コルチコステロンが増加し、免疫機能の一つである脾臓のNK活性)※1 が有意に低下した。一方、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を与えたラットでは、血中コルチコステロンの増加は緩やかになり、脾臓のNK活性の低下が抑えられた。
■研究2 激しい運動による免疫低下に及ぼす影響日常的に運動を行っている大学生を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検試験)※2 を行った。各被験者に乳酸菌を含まない偽薬(プラセボ)または100mgのL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を含有する錠剤を4週間摂取してもらった。4週間の摂取前後で、それぞれ1時間のエルゴメーター)※3 による激しい運動を行った。
その結果、摂取前の検査では、プラセボ群・乳酸菌群共に激しい運動により血中のNK活性が低下したが、摂取後の検査ではプラセボ群のみ運動によりNK活性が有意に低下し、乳酸菌群では運動後のNK活性の低下が見られなかった(図1)。これらの結果により、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、ストレスを軽減すること、及び免疫の低下を抑えることが明らかになった。
※1:NK活性リンパ球に含まれる免疫細胞であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きの強さを表す、生体の免疫力の指標の一つ。NK細胞は他の免疫細胞の中でも重要な働きをしており、ウイルスに感染した細胞など、異常のある細胞を攻撃して破壊するのが特徴。
※2:無作為化プラセボ対照二重盲検試験プラセボ効果(思い込み効果)を除くために、被験者にも測定者にも、どちらがプラセボか乳酸菌入り錠剤であるかわからないようにして、試験を進める方法。また、被験者がどちらの錠剤を摂取するかは無作為(ランダム)に割り当てた。
※3:エルゴメータースポーツを実際に行っているのと似た条件の負荷をかけて、運動者の体力測定やトレーニングを行う器具。本試験では、自転車のペダル踏み運動器を使用した。
▼詳細は、株式会社明治 2013年3月25日発表
「L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)のストレス軽減および免疫腑活効果を動物試験および臨床試験で確認」
■抗生物質が効かない「悪夢の細菌」日本でも広がる〈週刊朝日〉 ― 2013年04月03日
抗生物質が効かない「悪夢の細菌」日本でも広がる〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130327-00000001-sasahi-hlth
Yahoo! ニュース・雑誌 > 2013/03/27
Yahoo! ニュース・雑誌 > 2013/03/27
米疾病対策センターが3月5日に公表したところに依れば、最強の抗生物質である「カルバペネム」が効かない腸内細菌(カルバペネム耐性腸内細菌=CRE)の感染が、米国でこの10年で広がっており、この間、検出率は約4倍に増えたという。
このCREは、健康な人に感染しても発症しないが、高齢者や免疫力が低下し人が感染すると、恐ろしい症状を引き起こす。 口から体内に入った細菌は、腸管や尿管などに付着して増殖し、血液に感染すると敗血症になり、多臓器不全などを引き起こして、やがて死に至るという、非常に危険な細菌だ。
ついに日本でも、昨年11月に千葉県内の病院に入院した60代の男性患者の痰や便からCREが見つかった。この患者は東南アジアで頭部の手術を受けていた。また、国内の約600の医療機関を対象にした2011年の調査では、CREと同種の大腸菌に感染した患者が103人見つかっており、『大きな病院だから安心』というわけでは無いと云う。
週刊朝日 2013年4月5日号
■リウマチ飲み薬承認へ 厚労省部会、症例報告が条件 ― 2013年03月24日
リウマチ飲み薬承認へ 厚労省部会、症例報告が条件
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は、3月13日に関節リウマチの新飲み薬ゼルヤンツ(一般名トファシチニブ)の製造販売を、全ての患者の症例報告など条件として承認することを了承したという。治験では、発がんや感染症の短期的な副作用リスクがあることが分かっている。
現在、標準的な薬が効き難い人には高い治療効果のある注射薬を使っていたが、ゼルヤンツは、高い効果がある初めての飲み薬で、患者には使い易く、米国では2012年10月に承認されている。一方で、長期的には発がんのリスクが明らかになっていないうえ、服用が患者に委ねられる懸念もあり、日本リウマチ学会が厚生労働省や製造販売業者のファイザーに対し、慎重に対応するよう要望書を提出しており、部会は安全面から副作用が出たときに対応できる知識を持つ医師らに使用を限るよう求めた。
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