■ビールのホップに動脈硬化予防効果 ― 2012年12月18日
ビールのホップに動脈硬化予防効果
北海道大学大学院保健科学研究院の千葉仁志教授や同大学院医学研究科の伊敏・助教らとサッポロビール(株)が、米科学誌「プロスワン」(オンライン版)に11月16日に発表したところに依れば、ビール原料のホップに含まれる成分「キサントフモール」に動脈硬化を予防する効果があることが、マウスを使った研究で分かったという。
キサントフモールには、ガン細胞の増殖抑制作用や、抗変異原活性、抗HIV作用などの生理活性があることが国内外の研究で知られている。
動脈硬化を防ぐには、血清中の総コレステロール値の低下のほか、“善玉”の「HDLコレステロール」値を上げることが、普段の健康管理で必要になる。
HDLコレステロールは、肝臓や小腸で合成され血清中に存在する「コレステリルエステル転送蛋白(Cholesteryl ester transfer protein, CETP)」によって、“悪玉”の「LDLコレステロール」や超低比重リポ蛋白に転送されて量が減ってしまう。
研究は、CETPの遺伝子を導入したマウスに、キサントフモール(0.05%)とコレステロール(1%)を混和した餌を18週間摂取させ、血清中のHDLコレステロール値とCETP活性を測定した結果、キサントフモール入りの餌を摂取したマウスでは、HDLコレステロール値が増加し、CETP活性は低下した。更に、動脈硬化を測定する際の指標部位の「胸部大動脈弓」で総コレステロールの蓄積量を測定したところ、キサントフモールの摂取により、有意に蓄積量が減少していたことから、キサントフモールには、CETP活性を阻害し、動脈硬化を予防する効果があることが分かったというもの。
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