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■腸内細菌叢と免疫系との間に新たな双方向制御機構を発見2014年11月30日

腸内細菌叢と免疫系との間に新たな双方向制御機構を発見
  http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140711_1/
     理化学研究所 > 広報活動 > プレスリリース(研究成果)2014  2014/07/11
 米国の科学雑誌『Immunity』(7月17日号)、オンライン版(7月10日付け:日本時間7月11日)に掲載された、理研統合生命医科学研究センター(小安重夫センター長代行)粘膜免疫研究チームのシドニア・ファガラサン(Sidonia Fagarasan)チームリーダー、東京大学大学院新領域創成科学研究科(武田展雄研究科長)附属オーミクス情報センターの服部正平教授らの共同研究に依れば、腸内細菌叢と免疫系との間で、制御性T細胞や腸管に存在する抗体「免疫グロブリンA(IgA抗体)産生を介した双方向制御が行なわれていることを発見したという。

 ヒトの腸管内には多くの腸内細菌が共存し、バランスのとれた腸内細菌叢が腸管の免疫系を適切に活性化することでヒトの健康が維持されているが、バランスのとれた腸内細菌叢を形成・維持する上で免疫系がどのように作用しているのか、逆に、バランスのとれた腸内細菌叢が免疫系にどのような影響を及ぼしているのかの詳細は分かっていなかった。
 共同研究チームは、免疫系が機能していない免疫不全マウスを用いて、腸内細菌叢と免疫系との関係について調べた結果、免疫反応を抑制する制御性T細胞が、IgA抗体の産生を介して、腸内細菌叢のバランスを制御していること、一方で、バランスのとれた腸内細菌叢が、腸管における制御性T細胞の誘導やIgA抗体の産生といった健全な腸管免疫系の形成に有効であることを発見した。また、外部からの腸内細菌の投与により人為的に腸内細菌叢および免疫系を制御できる可能性を示した。

 本成果は、腸内細菌叢と免疫系との間の双方向制御によって健康が保たれているという新しい概念を示したものです。この知見は腸内細菌が影響を及ぼすと考えられるさまざまな疾患の予防や新規治療法を考える上で役立つと期待される。

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