■パラミロン 解毒効果でメタボ予防 ― 2010年05月03日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2010/04/28
腸の働き改善 免疫機能向上にも期待メタボリックシンドロームの原因となる中性脂肪やコレステロールを吸収し、体外に排出する「パラミロン」という物質が注目されている。
パラミロンとは、池や田んぼなどにいるミドリムシである微細藻類「ユーグレナ」にしか含まれていない食物繊維成分で、大阪府立大や東大などの研究チームが、パラミロンを含む微細藻類の大量培養に初めて成功し実用化が本格化した。また、人体に有害なものを体外に出す解毒効果とと共に、バイオ燃料や二酸化炭素を吸収するエコ効果も期待されている。
ユーグレナには、細胞を変形させて運動することができる動物的な性質と、光合成するという植物的な性質があり、動物と植物の中間的な存在と言われている。
ユーグレナの特徴は、体に不足している栄養素を補給できて、体に不要なものを排出できるという両方の機能を兼ね備えている。ユーグレナに含まれるパラミロンの表面には無数の微小な穴があり、そこに脂肪やコレステロールを取り込むことができる。しかも消化されないのでそのまま体外に排出できるため、中性脂肪などのほか、人体に入った有害重金属を排出する作用も持っている。 加えて、便通を改善して腸の働きを良くする効果があるほか、腸管の粘膜細胞を刺激して免疫機能をアップさせる力もある。
ユーグレナは、パラミロン以外にも人間が体外から摂取すべき栄養素のほとんど全てを含んでいる。しかも、野菜より消化されやすく、内部の栄養素を効率的に体内に取り込むことが可能だ。
さらに、二酸化炭素の吸収能力に優れ、その濃度が高くなるほど成長スピードが上がるという特徴があり、環境面でも活用できる。また、化学処理するとバイオ燃料になることも実験で明らかになった。このため、ユーグレナからバイオ燃料を生み出し、それを燃焼した排ガスでさらに大量培養する--というサイクルを作り出すことも可能という。
■動脈硬化発症は免疫の働き原因…帝京大など調査 ― 2010年04月30日
米マサチューセッツ大学と帝京大学の河野肇講師らのグループが、4月29日付の英科学誌ネイチャーに発表したところによれば、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの血管への蓄積は、体を守る免疫細胞の働きによって起きていることを突き止めたという。動脈硬化は、血管の壁に悪玉コレステロールが溜まり、血管が詰まって脳梗塞や心筋梗塞の原因になる生活習慣病である。このコレステロールが蓄積する原因が不明だったが、河野講師らは、脂質を代謝し難いマウスに高カロリーの餌を与え、血管の変化を観察し、二週間後、細菌やウイルスを処理する免疫細胞のマクロファージが血管の内側に集まり、血液中のコレステロールを異物とみなして食べ始めた。
コレステロールを食べたマクロファージは、これを分解できずに死んでしまい、コレステロールの結晶が残留。マクロファージには仲間を呼び寄せる性質があり、血管の壁がマクロファージの「墓場」となって、コレステロール結晶が雪だるま式に蓄積することで、動脈硬化を起こすことがわかったというもの。
■腸内細菌が肥満を手助けか/米研究 ― 2010年03月08日
AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/03/08
米エモリー大学(Emory University)医学部のアンドリュー・ゲワーツ(Andrew Gewirtz)氏らが、3月4日の米科学誌サイエンス(Science)に発表した研究によれば、細胞が細菌の存在を感知する手助けをするタンパク質であるトール様受容体5(TLR5)が免疫システム中で欠乏するよう遺伝操作したマウスを使った実験によって、食べ物の消化を手助けする腸内細菌が正常に働かない場合に、かえって肥満の原因となってしまうことがあることを突き止めたという。この実験でのマウスの免疫システムは、TLR5の欠乏した状態でも細菌を制御し続けたが、正常な場合と比べて弱く、細菌構成が変化したほか、低レベルの炎症が起こり、インスリン受容体の感受性が弱まった。この結果、TLR5欠乏マウスは、食べる餌の量が正常なマウスより約10%増え、体重も約20%増加、メタボリックシンドロームとなったという。
これは、腸内細菌叢の中で不適当な種類の細菌が勢力を強めると、低レベルの炎症が起き、前糖尿病状態となって食欲が増進されるからだという。何かと座りっぱなしの生活スタイルや栄養過多な食事が肥満の原因だと云われるが、過剰なカロリー摂取の背景には無規律な食習慣のほかに、食欲や代謝に関与する腸内細菌が関わっている可能性を示すもので、少なくとも一部の肥満については、インスリン抵抗性が原因で起きている可能性があると分析している。
■「ネギは風邪にいい」、ウイルス抑制実証 富山大大学院 ― 2010年01月30日
富山大大学院医学薬学研究部の林利光教授が、マウスを使った研究で、ネギの抽出物がA型インフルエンザのウイルスの増殖を抑え、体内の免疫機能を向上させる可能性があることを突き止めたという。林教授は、メカブの「フコイダン」のインフルエンザウイルスへの有効性を調べるなど、ウイルスと食べ物の関係を研究しており、今回の研究は、大分県の食品会社「佐々木食品工業」が「大分産ネギで健康に良いものはできないか」と林教授に相談したことがきっかけだった。
昔から『ネギは風邪にいい』と言われているが、それを裏付ける今回の研究を、林教授は次のように分析している。
タミフルはウィルスを全滅させるため、体内の抗体を増やす効果はないが、ネギがウイルスを減らす一方で抗体を増やしたことを評価しており、「人間の体には、元々、細胞やウイルスをやっつける免疫がある。ネギは免疫が機能する初期の段階に働きかけ、予防的に体の免疫力を高める効果があるのではないか」と。
■60歳以上の新型インフル感染、20―30代の1/5以下 ― 2010年01月23日
オランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員(科学技術振興機構研究員)と米アリゾナ州立大学などの国際研究チームが、英国発行の国際学術誌「バイオメッド・セントラル」関連2誌に発表した研究によれば、2009年5月29日~7月14日の日本国内の流行状況などを基に感染の成立し易さを年齢別に調べ、豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザウイルス(H1N1型)感染者と接触した場合の感染の成立し易さは、60歳以上は20~30歳代と比べて1/5以下になるという数理モデルによる分析結果を導き出した。
◎秋色の龍王峡'09 ― 2010年01月10日
■免疫力を高める多糖体を産生する乳酸菌使用のヨーグルト、明治乳業が発売 ― 2009年12月24日
明治乳業は、乳酸菌1073R-1を使用した「明治ヨーグルトR-1」を12月1日から発売した。
乳酸菌1073R-1は、明治乳業が保有する乳酸菌中で最も多く多糖体(EPS)を産生するブルガリア菌の一種。
これまでに、同乳酸菌で作ったヨーグルトの長期摂取による免疫機能改善効果、カゼ罹患リスクの低減効果をヒト試験で確認している。また、感染後の肺中のインフルエンザウイルス量が低下することを動物実験で明らかにしている。
(関連記事:http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20091026/104573/)今回発売したのは、「明治ヨーグルトR-1 ドリンクタイプ」112ml と「明治ヨーグルトR-1 ソフトタイプ」112g。共に126円(税別)で、地区を限定して発売。
▼明治乳業 > ニュースリリース (2009/11/24)
~選び抜かれた1073R-1乳酸菌を使用したヨーグルト~
■帯状疱疹が脳卒中リスクを増大させる ― 2009年11月14日
台北医学大学Taipei Medical University病院のJiunn-Horng Kang博士らが、医学誌「Stroke(脳卒中)」オンライン版に10月8日版に発表したところによれば、帯状疱疹(帯状ヘルペス)に罹患した成人は脳卒中リスクが高く、特に眼の周辺に発症した場合は注意が必要であるという。帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)よって生じる痛みのある発疹で、ウイルスにより水痘を引き起こすが、治癒した後も体内に残り、再活性化して帯状疱疹の原因となる。
Kang氏らは、1997~2001年に帯状疱疹の治療を受けた台湾の成人7,760人のデータを検討。治療から1年以内に133人(1.7%)が脳卒中を発症したのに対し、帯状疱疹の治療を受けていない対照群23,280人での発症率は1.3%(306人)であった。
データ分析の結果、帯状疱疹群では1年以内の脳卒中発症率が31%高く、眼の周辺に発疹が出た場合は脳卒中の発症率が劇的に高く、対照群の4.3倍であった。脳卒中には血栓により脳動脈が閉塞される虚血性脳卒中と、血管の破裂による出血性脳卒中があるが、帯状疱疹群の虚血性脳卒中は31%高く、出血性脳卒中は2.79倍高かった。帯状疱疹ウイルス(herpes zoster virus)により脳への血管が閉塞または破裂する血管損傷が誘発されることにより脳卒中が発生すると考えられるという。
▼原文: Shingles Raises Stroke Risk: Study
■免疫力を高めるプロテクト乳酸菌 ― 2009年07月22日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2009/07/11
サントリー健康科学研究所とサントリー乳酸菌研究所が、第5回日本食品免疫学会(2009年5月26-27日、東京都文京区本郷)で発表したところによれば、細胞壁の厚い「プロテクト乳酸菌」が人の免疫力を高めたり、インフルエンザの感染予防になる可能性があるという。免疫効果が確かめられたのは、京漬物から発見された植物由来の乳酸菌で、通常の乳酸菌に比べて細胞壁が厚く固いため、プロテクト乳酸菌と名付けられた。
今回の実験は、30代~60代の男女25人を3つのグループに分け、(1)5億個のプロテクト乳酸菌(2)15億個のプロテクト乳酸菌(3)偽のプロテクト乳酸菌(プラセボ)をそれぞれ2週間摂取してもらった結果、(2)のグループは、(3)のグループに比べ、ウイルスなどを殺す免疫細胞(ナチュラルキラー細胞)がより活性化していた。
また、インフルエンザウイルスを感染させたマウスの実験では、プロテクト乳酸菌を摂取させた群で生存率が高かった。▼サントリー > ニュースリリース No.10441(2009.5.26)>
「細胞壁の厚い“プロテクト乳酸菌”の免疫活性をヒトで確認」
http://www.suntory.co.jp/news/2009/10441.html
■突発性難聴になってしまいました ― 2009年06月12日
(この記事の訂正版を2009/07/20「「メニエール病」について」にて行いました。)健康について、情報を発信し、健康に気をつけていたつもりの本人が、今回情けなくも突発性難聴を再発いたしました。
反省の意味を込めて、突発性難聴についての、情報を探ってみました。 その中でも、自分に施された治療とその後の経過等の体験を通しての判断を交えて、『ウィキペディア(Wikipedia)』の情報がお勧めです。
若しも不幸にも、片方の耳が聞こえなくなってきたような症状を発症した場合は、自己判断をせずに、『ウィキペディア(Wikipedia)』上の、原因・症状を参考にされて、一刻も早く大きな病院に駆け込んで治療を受けてください。
▼『ウィキペディア(Wikipedia)』上の、原因・症状:
原因 :
内耳などに障害が生じる感音性難聴の一種と考えられているが、現在のところ原因は不明である。
症状 :
毛細血管の血流が妨げられ内耳に血液が十分届かずに機能不全を引き起こすという内耳循環障害説、ステロイド(感染症に対して抗炎症作用を持つ)が効果を発揮することからウィルス感染を原因とする説などがある。 患者調査の傾向からストレスを原因の一つとする意見もある。耳以外の神経症状(四肢の麻痺など)は見られない。遺伝の要素は見つかっていない。分野としてはあまり研究が進んでいないのが現状である。軽~重度の難聴(低音型・水平型・高音型など)と耳鳴りなどが中心であり、それに加えて音が「異常に響く」「割れる」「二重に聞こえる」「音程が狂う」など、その副症状も人によって様々である。めまいや吐き気を訴える事もある(この場合はメニエール病も疑われる)。ほとんどの場合片側のみに発症するが、稀に両側性となる場合もある。
治療:誤解されがちな点であるが、突然の失聴が患者に与える精神的負担は極めて大きい。外見的に障害が見られず周囲の理解が得られにくい事に加え、健康体からの突然の発症からくるショックや、耳の異常を常時自覚せざるを得ないため、深刻なストレスと精神的苦痛を常に強いられる。特に大人になってからの中途失聴は障害認識が難しく、それまで言語コミュニケーションにより築いてきた友人関係・家族関係・社会的地位などを危うくする場合もある。
適切な早期治療と安静が極めて重要である。症状を自覚した場合は速やかに設備の整った病院(大学病院など)で耳鼻咽喉科の専門医の診断を受けることが肝要。判断と治療の困難さから小病院・一般医では知識や設備が不足している場合が多く、誤診による手遅れ・認識間違い等に注意が必要である(実際に聴力低下が見られても、ある程度会話が聞き取れれば正常とみなされ異常と診断されないこともある)。
なお治療方法は前述の仮説を想定したものが中心となる。一般的には発症から約2週間以内が治療開始限度と言われており、これを過ぎると治癒の確率は大幅に低下する。治療開始が早いほど、その後の症状に大きな差異が出るとの考えもある。重度であれば入院での加療が望ましい。
* ウイルス性内耳障害改善を目的とする、ステロイド剤投与(比較的効果が高い)。
* 内耳循環障害改善を目的とする、血流改善剤(アデホスコーワ等)、代謝促進剤(メチコバール等)、高気圧酸素療法、星状神経節ブロック注射等。
* 内リンパ水腫改善を目的とする、利尿剤(イソバイド、メニレット等)投与。
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