・大豆食品で長寿 秘密は含有成分イソフラボン ― 2006年02月25日
毎日新聞・ 暮らし ・ 健康 2006/02/25
心臓病など循環器疾患と食生活の関係を世界25カ国で調べてきた家森幸男・武庫川女子大学・国際健康開発研究所長(京都大学名誉教授)が語る大豆食品のすばらしさを紹介するインタビュー記事。◆骨を丈夫に、生活習慣病にも効果
米国と比べ、カルシウムの摂取が日本は少ないのに、骨粗しょう症が原因で起きる大腿部の骨折の発生率では、日本は米国の約1/2と少ない。
大豆食品に含まれる大豆イソフラボンにはカルシウムが骨から溶け出すのを抑えるだけでなく、骨をつくる骨芽細胞を増やす働きもあり、日常の食生活での大豆イソフラボンの摂取があるから、日本人にはこの骨折率が低いという。大豆イソフラボンが、女性ホルモンの不足で起きる更年期障害に効果的なことはよく知られているが、それに加え、イソフラボンの摂取量が多い国ほど虚血性心疾患(心臓病)の死亡率が低く、大豆食品をよく食べる日本や中国で心臓病の死亡率が低く、血圧や血中の悪玉コレステロール値が下がることが判った。
イソフラボンは、女性ホルモンが作用する受容体を先回りしてふさぐため、強すぎる女性ホルモンの働きを抑えてくれるので乳がんを予防する。欧米諸国で多い男性の前立腺がんの死亡率が日本で低いのも大豆食品を多く食べるからだという。
イソフラボンの適切な摂取量は、成人で約40~50mg/日だが、若い世代では20mg程度しか取れていない人が多い。サプリメントで補うより、食品で補うのが基本。
内閣府・食品安全委員会は、1月末に日常の食事とは別に摂取する特定保健用食品としての大豆イソフラボンの摂取の上限を50mgとする注意を促す評価書 をまとめたが、これに対し家森さんは「納豆を1パック余分に取るだけで上限を超えてしまうような評価は正しいとはいえない」と、さらに科学的な議論が必要だと指摘する。家森さんは、「イソフラボンを多く含む大豆食品の豊富な日本の伝統食こそ世界に誇るべき理想的な長寿食だ」と強調する。
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