■65歳はもう「高齢者」じゃない? 学会が定義を再検討 ― 2013年10月19日

一般的に65歳以上とされる「高齢者の定義」について、日本老年医学会と日本老年学会が検証を始めた。身体能力からは75歳以上とする考え方もあり、再検討するという。年金や医療制度などの設計にも影響しかねないため、慎重に議論して欲しいものだ。
総務省の人口推計では65~74歳を「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」とし、高齢化率は65歳以上の割合を示す。国際比較できるよう、国連などで定められている分類だ。
一方、近年、身体能力の高い高齢者が増えており、「前期高齢者は、高齢者と呼べない集団ではないか?」などの指摘も出ているため、老年医学会などは専門家15人による検討会を設け、高齢者の再定義ができないか、検討を始めたという。1年程かけて見解をまとめる予定とか。
「社会的、政策的にインパクトが大きい」との意見もあり、定義変更の長所、短所も含め議論するという。
東京都健康長寿医療センター研究所の調査では、2002年時点の65歳以上の身体能力は、日常的な歩行速度が男女共に11歳、握力で4~10歳、10年前より若返っていた。大阪大病院老年・高血圧内科の入院患者のデータ(2012年度)でも「転倒の危険性が増すのは75歳以上」との結果が出ている。
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