■血糖値の上昇が加齢による脳損傷の原因に ― 2009年01月24日
血糖値の上昇が加齢による脳損傷の原因に
米コロンビア大学メディカルセンター(ニューヨーク)アルツハイマー病・加齢脳タウブTaub研究所准教授のScott Small博士が、医学誌「Annals of Neurology(神経学)」12月号に発表したところによれば、正常な加齢現象の1つである血糖値の上昇が、海馬(学習および記憶に不可欠な脳部位)に影響を及ぼすことが判明したという。アルツハイマー病では海馬の損傷が顕著にみられることが知られており、一部の研究からは、正常な加齢によっても海馬が損傷されることが示されている。研究グループは、健康な高齢者(平均年齢約80歳)240人を対象に、MRIを用いて海馬の機能を記録した。被験者のうち60人が2型糖尿病であり、74人の脳に「梗塞」(脳組織の損傷)がみられた。糖尿病と梗塞はそれぞれ海馬の別の部位との関連がみられ、それぞれの疾患で異なる機序が働いていることが示された。この知見は、動物を用いた試験でも裏付けられた。
今回の知見は、運動をしている人は年齢の割には認知力障害が少ないとされる理由を説明するものかもしれない。つまり、運動が血糖値を安定化させるという解釈である。
▼原文: Rising Blood Sugar May Harm the Aging Brain
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