■大豆がOKな人も豆乳でのアレルギー症状に注意 ― 2014年02月04日

国民生活センターは12月5日、「豆乳」「調製豆乳」「豆乳飲料」やその他の大豆を主な原材料とする飲料を含めた「豆乳等」を摂取することで、皮膚や粘膜のかゆみ・赤み・腫れ・じんましん・呼吸困難といったアレルギー症状を発症したという相談が増えていることを受け注意を呼びかけている。
食物アレルギーは、食物を摂取した時に、身体が食物に含まれるタンパクを異物として認識し、自分の身体を防御するために過剰な反応を起こすことで、その発症の機構から「クラス1」と「クラス2」食物アレルギーに分類されている。
「クラス1」食物アレルギーは、通常の食物アレルギーで、食物が消化管から吸収されてアレルギーを起こすもので、代表的な食物としては卵や牛乳、小麦、そば、大豆などがある。
「クラス2」食物アレルギーは、花粉中のアレルゲンタンパクやラテックスタンパクの吸入・接触によりアレルギーが発症した後、それらと類似したタンパクを含む果実や野菜などを経口摂取した時に口腔粘膜で発症するもの(交差反応)で、口腔アレルギー症候群とも呼ばれている。
納豆や味噌・醤油といった大豆製品では症状が出ないが、加工の程度が低い豆乳などでアレルギー症状が出てしまう原因は、これまで大量の大豆製品を摂取してきたことによるものではなく、カバノキ科の花粉に含まれているアレルゲンタンパク「Pathogenesis-related protein 10(PR-10)」と似たようなアレルゲンが大豆にも含まれているために(大豆のPR-10アレルゲンタンパクは「Gly m 4」と呼ばれている)、カバノキ科花粉症患者の一部が豆乳等を飲んだ時に交差反応でアレルギーが発症してしまう可能性があるという。
ちなみに「Gly m 4」は加熱や発酵など加工処理で活性を失い易いという性質があるため、味噌や納豆に比べて加工の程度が低い豆乳ではアレルギー症状が起こり易くなる。また、豆乳が液体であることも、豆乳でアレルギー症状が起こりやすいことと関係している可能性があるとしている。
また、花粉のPR-10タンパクと似たようなアレルゲンは大豆以外にもリンゴ・モモ・サクランボ・ナシ・ビワなどのバラ科の果物にも含まれているため、豆乳等によるアレルギーの半数以上で、これらの果物を食べたときにも唇が腫れたり、喉が痒くなったりするアレルギー症状(口腔アレルギー症候群)が出ることが分かっており、若しリンゴやモモ等を食べると喉が痒くなるようなアレルギー症状を持っている人は、今後、豆乳等による口腔アレルギーを発症する可能性があると注意を喚起しており、もし摂取してアレルギー様の症状が出た場合は速やかに医療機関を受診することを進めている。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://health-info.asablo.jp/blog/2014/02/04/7211975/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。