■寿命を予測する遺伝子変異体が判明 ― 2010年07月11日
寿命を予測する遺伝子変異体が判明
米ボストン大学医学部准教授のThomas Perls博士らが、米国立加齢研究所(NIA)および米国立心肺血液研究所(NHLBI)の資金提供により実施した研究報告が、米科学誌「Science」オンライン版に7月1日に発表された。この研究によれば、100歳まで生きられるかどうか77%の正確さで予測できる一連の遺伝子配列が判ったと云う。先進国の平均寿命は80~85歳で、100歳まで生きる人は約1/6,000人、110歳を超える人は1/700万人にすぎない。 100歳以上の人は世界で常に約8万人生存しており、その多くは女性だという。
今回の研究では、Perl氏が率いる「ニューイングランド長寿研究(New England Centenarian Study)」に参加する100歳以上の1,055人および対照群1,267人を対象に、ゲノムワイド関連解析を実施した結果、150種類の一塩基変異多型(SNP)を含む遺伝子モデルにより、77%の正確さで寿命を予測することができたという。
残りの23%は、環境や生活習慣などの因子や、現時点でまだわかっていない遺伝的因子によるものだという。 また100歳を超える人の90%が、さまざまな「例外的長寿」と相関のみられる19種類の「遺伝子シグネチャー(genetic signature: 遺伝子特性)」を持つことが判明した。意外なのは、長寿の人は疾患になり易い遺伝子を持たないわけではなく、疾患に関連する変異体の影響を打ち消す長寿関連変異体を豊富に持つこともわかったという。▼原文: Scientists Spot Gene Variants That Predict Longevity
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