◎緑陰の清流No.2 ― 2010年07月03日
■歯磨きの頻度が少ないほど心血管リスクが上昇 ― 2010年07月03日
Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/06/15
BMJ誌から/スコットランドでの研究結果英University College LondonのCesar de Oliveira氏らが、BMJ誌電子版に2010年5月27日に発表した研究によれば、1日の歯磨きの回数が1回未満の人は、2回の人に比べて心血管イベントリスクが 1.7倍になるという。
分析対象は、Scottish Health Surveyに登録されているデータ。 ここには、スコットランドの一般住民から、3年から5年おきに収集した人口統計学的データと生活習慣に関する情報(喫煙歴、身体活動量、口腔衛生状態など)が登録されている。
追跡期間の平均は8.1年で、その間に555件の心血管イベントが発生。うち心血管死亡は170件だった。
口腔衛生状態不良群(歯磨きが1日1回未満、538人)では、口腔衛生状態良好群(歯磨きが1日2回、8481人)に比べ、心血管イベントリスクが有意に高かった。
尚、血液標本が採取できた4830人について、口腔衛生状態と全身性の炎症マーカーの関係を調べたところ、口腔衛生状態不良群のCRP値の平均は4.18mg/Lで、口腔衛生状態良好群の3.07mg/Lとの差は有意だった。フィブリノーゲン値についても同様で、衛生状態不良群は 2.98g/L、良好群は2.86g/Lだった。様々な交絡因子候補で調整しても、口腔衛生状態不良群の心血管リスク上昇は有意で、衛生不良群には軽度炎症も認められたという。
口腔の衛生状態が、心血管リスク上昇を直接引き起こすのか、それともリスク上昇のマーカーなのかは、今後明らかにする必要があると結んでいる。
原題:「Toothbrushing, inflammation, and risk of cardiovascular disease: results from Scottish Health Survey」
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