・やせ過ぎ:怖い 死亡リスク倍増、骨弱く折れやすい ― 2007年04月22日
毎日新聞・ 暮らし ・ 健康 2007/04/13
厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、体重(Kg)を身長(m)の2乗で割ったBMI(体格指数)が18.5未満の「やせ」の割合は、20代女性の場合、84年は14.8%だったが04年には21.4%と増えている。一方、男性は若年層でもほぼ横ばいで、30代は減少傾向にある。国立がんセンターなどが、40~59歳の男女約4万人を対象にBMIと死亡率の関係を10年間追跡調査した結果、具体的な因果関係は不明だが、肥満だけでなく、やせ過ぎでも死亡リスクが高くなるという。
BMI 23~24.9のグループを基準にすると、男女とも「14~18.9」「30以上」の死亡率は、それぞれ約2倍だった。米国で65歳以上の女性を対象に、体重と大腿骨骨折の関係を調べたところ、「57.8Kg以下」のグループは、「73.3Kg以上」グループより骨折した人が2倍も多かったことより、肥満で骨に負担がかかるよりも、やせ過ぎで骨密度が低下することの方が骨折の危険度を高めているとみられる。
大蔵倫博・筑波大講師(健康体力学)の研究によれば、34~66歳の肥満の女性154人に減量プログラムに参加してもらい、脂肪が減った部位などを調べた結果、腹部の脂肪が減るほど高血圧、高コレステロールなど心疾患のリスクが改善。一方、太ももなどの脂肪は減らない人の方がリスクが減少したことより、体重を減らすなら腹部を中心にして、下半身は太めの方が心臓病につながる危険が少ないという。
鈴木真理・政策研究大学院大教授(内科学)によれば、3カ月以上標準体重の80%以下の状態が続き、月経がないのに異常と思わないようなら拒食症の可能性もあるという。
※標準体重(キロ)の計算方法:
・身長160cm以上 :(身長-100)×0.9
・150cm超~160cm未満 :(身長-150)×0.4+50
・150cm以下 :(身長-100)
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