・セレンサプリが2型糖尿病リスクを増大 ― 2007年08月01日

セレンには抗酸化作用があることから、糖尿病の予防に有効と考えられていたが、米医学誌「Annals of Internal Medicine」オンライン版7月10日に掲載された英ウォーリックWarwick大学医学部Saverio Stranges博士らの研究によれば、セレンサプリメント(栄養補助食品)の摂取により2型糖尿病のリスクが増大する可能性が示された。セレンサプリメントは、ヘルペス、帯状疱疹、関節炎、多発性硬化症(MS)などに有効であるほか、老化防止、妊よう性増進、癌予防、水銀やカドミウムなどの毒物の除去にも効果があると謳われており、Stranges氏によれば、前立腺癌、肺癌などの癌予防についてはセレンの有望性が示されており、現在その効果を検討する臨床試験が実施されている。
今回の研究は、「栄養による癌予防試験(Nutritional Prevention of Cancer Trial)」に参加した1,202人のデータを収集。被験者の半数に200mg/日のセレンサプリメント、残りの半数にプラセボ(偽薬)を割り付け、7.7年の追跡期間中、セレン群で58人/600人、プラセボ群で39人/602人が2型糖尿病を発症したことより、セレン群の2型糖尿病発症リスクはプラセボ群より約50%高いことが判明したというもの。
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