■「買い物療法」は高齢者の寿命を延ばす ― 2011年04月17日
台湾国家衛生研究院(National Health Research Institutes)のYu-Hung Chang氏らが、医学誌「Journal of Epidemiology and Community Health」(疫学・コミュニティーヘルス)オンライン4月6日版に発表したところによれば、毎日買い物に行く高齢者は、買い物に行かない人に比べ寿命が長くなるという。今回の研究は、1999年・2000年に実施された自宅で自立した生活を送る65歳以上の台湾人の栄養と健康に関する調査をレビューしたもので、被験者 1850人のうち約半数が全く又はほとんど買い物に行かないと回答、22%が週2~4回、17%が毎日買い物に行くと回答した。回答者のほぼ2/3が 75歳未満で、ほとんどが健康的な生活習慣を送っているとする一方、約2/3は2つ以上の長期的な健康問題を抱えていた。
頻繁に買い物に行く人は、比較的若く、男性が多かった。また、全体的な健康状態は良好で、運動や友人との食事で外出することが多く、意外にも喫煙やアルコール摂取量が多い傾向もみられた。1回/日 買い物をする人は、買い物に行かない人に比べ、身体的・精神的障害因子の調整後も死亡率が全体で27%低く、男性では 28%、女性では23%低かった。被験者のほとんどは「経済的に自立」しており、買い物に行かないのは貧困を示すわけではなかったこと等より、研究グループは、いわゆる体を動かす「運動」に比べ、買い物は形式張らずに簡単に楽しく体を動かす方法であり魅力的な選択肢であると結論している。
その他に「買い物をする」ことで、他人との関わりや、場所の移動が可能であること、金銭を扱えること、意志決定ができること等の特徴が寿命の長さをもたらしている可能性があるという。
▼原文:'Retail Therapy' Might Really Work
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