■BMI上昇は男性の食道腺癌、甲状腺癌のリスクを高める ― 2008年03月15日
Nikkei Medical Online HOT NEWS 2008/03/07
女性の子宮内膜癌、胆嚢癌などもリスク上昇英国Manchester大学のAndrew G Renehan氏らが、Lancet誌2008年2月16日号に発表したところによれば、個々の癌とBMIの関係の強さを調べた大規模な系統的レビューとメタ分析の結果、BMIが5kg/m2増加するとリスクが1.5倍程度になる癌が複数あることが示された。そこには性別、人種による差も認められた。
BMI上昇との関係が男性でより強力だったのは、結腸癌(リスク比は1.24と1.08、P<0.0001)と直腸癌(1.08と1.01、P=0.003)。女性の方が強力だったのは腎臓癌(1.18と1.35、P=0.004)。
≪男性≫
1.BMIが5kg/m2増加当たりのリスク比が強力かつ有意に上昇していたのは、
食道腺癌(リスク比1.52、P< 0.0001)、甲状腺癌(1.33、P=0.02)、結腸癌(1.24、P<0.0001)、腎臓癌(1.24、P<0.0001)。
2.弱いが有意なリスク上昇が見られたのは、
メラノーマ(1.17、P=0.004)、多発性骨髄腫(1.11、P<0.0001)、直腸癌(1.09、P<0.0001)、白血病(1.08、P=0.009)、非ホジキンリンパ腫(1.06、P<0.0001)。
3.研究間の均質性が低かったのは、甲状腺癌と肝臓癌に関する研究だった。≪女性≫
1.BMIが5kg/m2増加当たりのリスク比が強力に上昇していたのは、
子宮内膜癌(1.59、P<0.0001)、胆嚢癌(1.59、P=0.04)、食道腺癌(1.51、P<0.0001)、腎臓癌(1.34、P<0.0001)
2.弱いが有意なリスク上昇が見られたのは、
白血病(1.17、P=0.01)、甲状腺癌(1.14、P=0.0001)、閉経後の乳癌(1.12、P<0.0001)、膵臓癌(1.12、P=0.01)、結腸癌(1.09、 P<0.0001)、非ホジキンリンパ腫(1.07、P=0.05)。
3.均質性が低かったのは
子宮内膜癌と肺癌、白血病に関する研究だった。≪喫煙≫
肺癌では、喫煙が強力な交絡因子で、喫煙者のBMIは非喫煙者より低い傾向があった。≪人種≫
人種との関係も評価され、有意な地域差が認められたのは、閉経前と閉経後の乳癌。
閉経前の乳癌のリスク比は、北米では0.91(0.85-0.98)、欧州と豪州では0.89 (0.84-0.94)、アジア太平洋地域1.31(1.15-1.48)(P=0.009)、
閉経後の乳癌は、北米では1.15(1.08-1.23)、欧州と豪州では 1.09(1.04-1.14)、アジア太平洋地域で1.31(1.15-1.48)(P=0.06)と、
いずれもアジア太平洋地域の集団でリスクが高かった。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://health-info.asablo.jp/blog/2008/03/15/2751919/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。