■乳酸菌LGG菌の効果 アトピー、ぜんそく、花粉症…症状軽減に期待 ― 2008年03月01日
毎日新聞 ライフスタイル > 健康 > アーカイブ 2008/02/23
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の一つ、LGG菌が花粉症やアトピー性皮膚炎等のアレルギー症状の軽減に効くという話題についての記事。最近使われるようになった、「プロバイオティクス」という言葉で、生きたまま腸に届いて健康に良い働きをする微生物のことで、一部の乳酸菌もプロバイオティクスだ。
フィンランド、ツルク大学のセポ・サルミネン教授(食品化学)、エリカ・イソラウリ教授(小児科)らが、01年春にイギリスの医学雑誌「ランセット」に、乳酸菌LGG菌がアトピー性皮膚炎に効果がある可能性を示す研究報告を発表した。サルミネン教授らは、アトピー性皮膚炎の症状のある妊産婦132人に、出産予定日2~4週間前から出産後半年間にわたってLGG菌と偽薬を投与した。その結果、生まれてきた子どものアトピー性皮膚炎の発症率は、LGG菌を取った妊産婦の方が偽薬と比較し約半分と低くかった。
4歳の時点でも、LGG菌を投与した群ではアトピー性皮膚炎の発症頻度が低く、7歳時点で投与したLGG菌によるアトピー性皮膚炎発症の総合リスクの低減も継続的に観察された。
アトピー性皮膚炎に対するLGG菌の予防効果のメカニズムは、完全には解明されていないが、LGG菌によって腸内のバリアー機能が強くなり、アレルギーの原因となるアレルゲンが体内に吸収され難くくなるとためと推測される。乳酸菌のLGG菌は、1985年、アメリカのタフツ大のゴルディン教授、ゴルバッハ教授が人の腸内から発見し、フィンランドの会社が事業化し、世界40カ国以上でヨーグルトや乳酸菌飲料として商品化されている。
その特徴は、胃酸や胆汁酸に強いため、 生きたまま腸に届き、腸管への粘着性が高く、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす--などが挙げられる。
最近の研究では、母親の腸内細菌が子どもの腸内細菌に大きな影響を与えることも明らかにされ、妊娠した母親の腸内環境が良好だと、子どもがアレルギー体質を受け継がない可能性が高くなるという。普段の食生活で大切なのは、LGG菌を継続して取ること。 フィンランドではジュースのほかに、チーズや牛乳の中にもLGG菌を入れているという。 特に風邪などをひいて抗生物質を投与された時や、環境が大きく変わる海外旅行時などは積極的に取ることが必要だ。
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