■突発性難聴、音楽聴かせ治療 愛知・生理研が発表 ― 2014年03月15日
突発性難聴、音楽聴かせ治療 愛知・生理研が発表
愛知県岡崎市の生理学研究所の岡本秀彦特任准教授(耳鼻科医、神経科学)らが1月29日付けの英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に発表したところに依れば、突発性難聴で片側の耳が聞こえ難くなった患者に音楽を聴かせることで機能回復を促し、症状を改善することに成功したという。
突発性難聴は、片側の耳で発症し、原因は不明。主にステロイドを点滴する治療が用いられるが、2~3割の人は回復しないという病気。
今回の研究は、中程度の症状でステロイド治療をしている発症直後の患者22人を対象に実施。治療を続けながら、正常な耳に耳栓をして聞こえない状態にする一方、難聴の耳に1日約6時間、ヘッドホンで適度な音量の音楽を聴かせた。音域が広く、長時間聴くのに苦にならないようクラシック音楽を選んで10日ほど続けて、聴力を調べると全員の難聴側の耳の聴力が一定以上は回復した。脳の反応を調べても効果がみてとれた。 難聴の耳に対応する脳部位が再活性化した可能性があるという。
岡本特任准教授らによると、片側の耳が聞こえ難くなると、そちら側から脳への信号が少なくなり、脳は正常な側の耳ばかりを使うようになるため、難聴の耳は使われにくくなり、さらに機能が低下する悪循環になるという。慢性化した人や重度の患者への効果は不明だが、安価で副作用がない治療法になる可能性があるという。
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