■抗生物質の多用で、薬物耐性菌の数・死亡者数が増加 ― 2013年10月17日
抗生物質の多用で、薬物耐性菌の数・死亡者数が増加
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324481004579080304013994872.html?mod=WSJJP_Health_Latest_News
ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/09/17
ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/09/17
米政府が9月16日の報告書で発表したところに依れば、米国で毎年200万人以上が抗生物質に耐性を持った菌による感染症に罹り、そのうち少なくとも2万3000人が死亡しているという。この報告書は悪化する公共衛生問題に積極的な対策を打ち出すよう求めている。
これ以外に年間約25万人がクロストリジウム・ディフィシレという細菌に感染し、このうち1万4000人が死亡しており、米疾病対策センター(CDC)は、細菌の脅威や抗菌剤に耐性を持った細菌の被害者数の概要を、初めて報告書で明らかにした。こうした耐性菌が大半の感染症を引き起こしている。
公共衛生の専門家は、通常は無害な内臓の細菌から結核まで、それらを殺傷する目的の抗菌剤に対してダーウィンが自然淘汰と呼んだ適者生存の闘いに勝ち残る細菌の数が増加していることに警鐘を鳴らしている。 淋病のほか、医療施設での感染拡大が認められた「スーパーバグ(超強力な細菌)」など一部の細菌は、それを殺傷する抗菌剤のほぼ全てに耐性を持っている。
この報告書は、過剰投与などを含め、抗菌剤への耐性が高まった理由を単刀直入に「ヒトにおける抗菌剤の使用の最大半分、動物における使用の大半がそれぞれ不必要・不適切で、万人の安全を危うくしている」と指摘している。
細菌は抗菌剤による殺傷をかわし迅速に進化している。抗菌剤の多用はさらに薬物耐性を持つ細菌が増えることにつながる。そうした細菌は不潔な手や医療器具を通じて、或いは空気中で運ばれ、病院内や地域社会で容易に蔓延する。報告書の推定では、(そうした耐性菌の感染)治療には余剰な直接医療費として年200億ドルの費用が掛かる。
CDCは、抗菌剤の一層思慮深い使用、耐性菌の追跡調査の改善、新薬の開発、耐性菌を迅速に検出する新たな検査を求めている。
報告書に依れば、米国でヒトより動物に投与される抗菌剤が増えており、ヒトが食物から薬物耐性菌に感染する可能性がある。成長を促す目的での食料生産動物への抗菌剤投与は「段階的に廃止」されるべきだという。
CDCは脅威の度合いに基づき、18の薬物耐性菌・真菌をランク付けした。3菌は「緊急」にランクされ、治療選択肢がほとんどなく広範囲にまん延する恐れがあることを意味する。この中には生命を脅かすクロストリジウム・ディフィシレが含まれ、抗生物質を最近投与され医学的処置を受けた人のほとんどがこの菌に感染する。同菌による死亡者数は2000~07年に5倍以上増加している。
▼原題:Antibiotics Losing Battle Against Bugs: Report
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