■理研など、ヘルパーT細胞が「キラー様T細胞」へと機能変化可能なことを解明 ― 2013年02月20日
理研など、ヘルパーT細胞が「キラー様T細胞」へと機能変化可能なことを解明
理研 免疫・アレルギー科学総合研究センター 免疫転写制御研究グループの谷内一郎グループディレクター、米ラホイヤアレルギー・免疫研究所のHilde Cheroutre教授(理研 免疫・アレルギー科学総合研究センター 環境応答制御研究ユニット ユニットリーダー兼務)らの国際共同研究グループらが、米科学雑誌「Nature Immunology」オンライン版の1月21日版に発表した研究に依れば、食物や細菌に常にさらされている腸内環境では、免疫応答の司令塔として重要な「ヘルパーT細胞」が、異物を認識して破壊する「キラーT細胞(細胞障害性T細胞:CTL)」と同様の機能を持つ「キラー様T細胞」へと機能変化できることを解明したという。
今回の研究により、ヘルパーT細胞は、キラー様T細胞へ機能変化するという潜在能力を持つことが明らかになったほか、機能変化過程がThPOK転写因子の発現消失によるものだったことから、この過程では細胞の性質をコントロールする根本的なプログラムが書き換えられていることが判ったというもので、腸管のような環境下のヘルパーT細胞は、細胞機能プログラムを再び書き直す能力を有していることが判ったのである。
人為的なT細胞分化誘導法の開発は、免疫疾患の新たな治療法の開発につながると期待できると、研究グループはコメントしている。
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