■がんから身を守る10か条~その2~ ― 2009年06月24日
酒はほろ酔い、たばこはやめる
がんから身を守る10か条~その2~
健康増進クリニック院長の水上治(みずかみ・おさむ)氏 へのインタビュー記事(その2)▼酒は百薬の長
・第6条:「アルコール」。
男性は、2合/日程度まで。ビールなら350mlを1本~2本/日。女性は男性の半分の1合/日程度。二日酔いをするような過度の飲酒は、免疫力を下げ、風邪も引き易くする。1合/日 程度の飲酒は、逆に免疫力を高めることが知られており、飲酒量とがん発症のリスクとの関係はU字カーブを描いている。全く飲まないケースよりも1合程度を飲む人の方がリスクが低い。ほろ酔い加減になる位の飲酒は、血流を良くしリラックス効果があり「酒は百薬の長」という諺にも表れている。
・第7条:「保存・調理」について。1日の食塩摂取量を6g/日までとし、できれば5gを目標数値として挙げている。さらにカビの生えた穀物や豆類を避けるよう促している。日本人はおおよそ11g/日 摂取しているので、この数値はかなり厳しい。
▼がんの再発予防のためには生活改善が重要
毎日味噌汁を1日に2~3杯飲んでいる人は、胃がんと乳がんの発症が半分になったというデータもあり、大豆に含まれるイソフラボンががん予防作用を持つという、日本人の食生活を考慮する必要もある。米国「世界がん研究基金」が2007年11月に出版した「食べもの、栄養、運動とがん予防」に謳われた「がん予防10か条」は、欧米人を主対象としているので、食生活が違う日本人には異なる部分もあると考えた方がよいだろう。
・第8条:「サプリメント」。
あくまでも通常の食事があって、その不足分を補うものとしてサプリメントがあることを認識しなければならない。食事をおろそかにしてサプリメントで健康を得ようというのは間違い。野菜を沢山食べてがん発症リスクを低くしたというデータはあるが、サプリで抑制できたというデータは極めて少ない。
・第9条:「母乳哺育」について。
6カ月間は、母乳哺育をすることを勧めている。これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守るために有効だからだ。
・第10条:「がん治療後」について。がん治療した後、食事や栄養、体重、運動について専門家の指導を受けることを勧めている。再発を防ぐために、9条までに提唱されてきたような生活習慣の改善が再発予防に有効だという。
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