■オレンジ、リンゴ果汁も薬剤の効果に影響 ― 2008年09月14日
グレープフルーツ果汁が薬剤の作用に影響を及ぼすことは以前から知られているが、オレンジ、リンゴなどの果汁も薬剤の吸収を妨げる可能性のあることが、カナダの研究で明らかにされ、米フィラデルフィアで開催された米国化学学会(ACS)で発表された。ウェスタンオンタリオ大学(オンタリオ州ロンドン)教授のDavid Bailey氏らは約20年前に、グレープフルーツ果汁が高血圧治療に用いられるCa拮抗薬フェロジピン(商品名:スプレンジール)の血中濃度を増大させることを初めて報告した。
その後、ほかの研究グループにより、グレープフルーツ果汁との相互作用を示す薬剤が次々と明らかにされたことより、高コレステロール、高血圧、心拍異常などのための特定の薬剤を使用する場合は、グレープフルーツ果汁の摂取を避けるよう警告しているという。
今回の研究では、グレープフルーツのほか、オレンジやリンゴの果汁が一部の薬剤の吸収率を「低下させる」可能性があることが判明した。抗癌薬エトポシド(ベプシドほか)、高血圧治療および心疾患予防に用いられるアテノロール(テノーミン)およびtalinolol(Cordanum)などの一部のβ遮断薬、臓器移植の拒否反応の抑制に用いるシクロスポリン(サンディミュンほか)や、シプロフロキサシン(シプロキサシンほか)、レボフロキサシン(クラビット)、イトラコナゾール(イトリゾールほか)など一部の抗生物質がこれにあたる。
Bailey氏は更に、抗アレルギー薬フェキソフェナジン(アレグラ)をグレープフルーツ果汁と共に摂取すると、水に比べて薬剤の吸収量が半分になることを突き止めた。 いずれのケースも、果汁に含まれる物質が薬剤の吸収に影響を及ぼしており、薬剤は水で飲むのが最も安全だ。
Bailey氏によると、水は一口よりコップ1杯分を飲む方が、錠剤が溶け易くて良いという。また、冷たい水の方が早く胃を通過し、薬剤が小腸から血液中に早く送られので温水よりも冷水で飲むことを勧めている。▼原文: More Juices Found to Affect Drugs' Effectiveness: Study
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