■無煙たばこ製品も癌リスクを増大させる ― 2008年07月29日
仏、国際癌研究機関(International Agency for Research on Cancer)のPaolo Boffeta博士らの研究チームが、英医学誌「Lancet Oncology」7月号(肺癌特集号)に発表したところによれば、「嗅ぎたばこ」「噛みたばこ」などの無煙たばこ製品(STP)によっても、喫煙ほどではないものの、癌リスクが増大するという。無煙たばこ製品には、ニトロソアミン、金属類など、30種類を超える発癌性物質が含まれており、世界各国の研究を分析した結果、無煙たばこ製品を使用する人は口腔癌リスクが80%、食道癌リスクが60%高いことが判明したほか、膵癌にも同程度のリスク増大が認められた。米国の研究では肺癌リスクが80%増大することも示されたという。
しかし、たばこを一切使用しない人よりは、無煙たばこ使用者の方が癌リスクは高いものの、米国およびヨーロッパのデータでは、癌リスク、特に口腔癌および肺癌のリスクは、喫煙者よりも無煙たばこ使用者の方が低いという。
同号に掲載された別の論文では、特定のバイオマーカーについてDNAスクリーニングを行うことによって、受動喫煙での肺癌リスクを評価できることが示された。たばこの煙に含まれる発癌物質の多くがDNA付加体と呼ばれるDNAの損傷を引き起こし、癌関連遺伝子の特定部位に変異を生じさせる形で特有の痕跡を残すことが知られているという。 現在、この痕跡の検知にはDNA損傷フットプリント法と呼ばれる技術と変異原性解析法が併用されている。
▼原文: Smokeless Tobacco Products Do Raise Cancer Risk
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://health-info.asablo.jp/blog/2008/07/29/3658453/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。