・ヘルシーリポート:健康インフォメーション 植物性乳酸菌でアレルギー緩和 ― 2006年07月02日
毎日新聞・ 暮らし ・ 健康 2006/07/02
植物成分を栄養源にした植物性乳酸菌の健康効果が注目されている
今年5月、日本アレルギー学会春季臨床大会で発表された、日本赤十字社和歌山医療センターの榎本雅夫・耳鼻咽喉科部長らとキッコーマンの共同研究によれば、植物性乳酸菌のひとつである「しょうゆ乳酸菌」が通年性アレルギー性鼻炎の症状を緩和するという。
研究は、中等度以上の症状を示す通年性アレルギー性鼻炎の大人45人を対象に、しょうゆ乳酸菌の錠剤(20mg/日と60mg/日の2群)を8週間飲んでもらった結果、60mg/日のしょうゆ乳酸菌を飲んだグループは、特にくしゃみ、鼻づまりが改善されたという。
・ヘルシーリポート:注目!ラクトフェリン 腸内細菌バランス、免疫力を調節 ― 2006年07月02日
毎日新聞・ 暮らし ・ 健康 2006/07/02
人の母乳や牛乳などに含まれるラクトフェリンというたんぱく質に腸内細菌のバランスを改善させたり、免疫力を上げるなどさまざまな働きがあり、C型慢性肝炎の症状の改善にも効果があると期待されている。
◆乳児に不可欠
母乳に含まれるラクトフェリンや免疫物質などのおかげで、乳児は免疫力を高めている。
◆がん予防
ラクトフェリンは、がん細胞を攻撃する免疫細胞のNK(ナチュラルキラー)細胞などを活性化する働きを持っている。国立がんセンター研究所でも、ラットを使った実験では大腸やぼうこうなどのがんを防ぐ働きを把握しており、国立がんセンター中央病院(東京)では、大腸に5mm以下のポリープをもった患者にラクトフェリンのサプリメントを飲んでもらう臨床試験を行っており、秋にも結果がまとまるという。(津田洋幸・名古屋市立大学医学部教授 談)
◆C型肝炎
C型肝炎に対して、インターフェロンや抗ウイルス薬とラクトフェリンとの併用補助療法について、横浜市立大学市民総合医療センターや三重大学などの試験報告ではラクトフェリンの錠剤を3~6カ月服用すると血液中のウイルスが減ったなどの結果も出ている。
◆痛みの軽減
鳥取大学の原田悦守名誉教授と竹内崇助教授(獣医臨床検査学)らは、マウスを使った実験でラクトフェリンに鎮痛作用があるのを発見した。末期がん患者への有効性を確認するのが今後の課題だという。
◆骨粗しょう症
ラットを使った実験報告によると、ラクトフェリンには骨を作る骨芽細胞を増やし、骨を溶かす破骨細胞を減らして骨の成長を促す働きがあるという。
ヘルシーリポート:健康インフォメーション ダイエットにかつお節 ― 2006年07月02日
毎日新聞・ 暮らし ・ 健康 2006/07/02
カツオ節にはアミノ酸の一種のヒスチジンが含まれ、これが脳の満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぐ働きがあるという。
人を対象にした研究で、ヒスチジンの摂取量が多いほど肥満度を表す体格指数(BMI)が低くなったという報告がある。20g/日程度のカツオ節を取れば、肥満予防の働きが得られるといわれる。
カツオ節にはアンセリンというアミノ酸も含まれ、アンセリンを取ってから運動をすると、疲労の指標となる血液中の乳酸が低いという試験研究もあり、運動後の疲労感を軽くする働きがある。
・体細胞を“若返り” ― 2006年07月06日
日経メディカル オンライン・Hot News 2006/07/06
京都大再生医科学研究所は、4日、人間の体細胞を、胚性幹細胞(ES細胞)と融合させることで、若返らせ、分化する能力を持たせる研究の実施を、文部科学省の専門委員会に申請した。
・定年うつ:会社人間ほど危険です 心の準備し、社会的な役割みつけよう ― 2006年07月06日
毎日新聞・ 暮らし ・ 健康 2006/07/06
仕事以外に楽しみの少ない「会社人間」だった人が定年退職をきっかけになり易く、最悪の場合、自殺に至ることもある「定年うつ」が注目されている。
最近の傾向として、定年退職だけでなく、役職を離れる「役職定年」や、退職後の転職先に適応できないことをきっかけにした「うつ」が増えているという。◇見分け方
(1)何をしていても楽しそうでない
以上のような症状が2週間続けば、うつ病の恐れがある。
例:熱烈な阪神ファンだったが、TVの野球中継さえ見なくなった。
(2)睡眠障害がある
例:「昼間に何もしていないのだから、夜寝られないのは当たり前」と家族も見過ごしがちになる。
早朝に目が覚めて疲れが取れていなかったり、夜間何度も目が覚めるのは要注意。
(3)焦燥感やイライラ感が強い
例:「こんな生活では駄目だ」と思い、家族にあたったり、怒りっぽく、不機嫌になる。アルコールの量が増えたりする。◇予防法
▽定年前から一度、定年後の自分の生活を想像し、心の準備をする
▽仕事以外の世界を見つけて人間関係を作る
▽ボランティアなど自分が存在する社会的な役割を持つ--など
・小腸の細胞で病原菌感知 ― 2006年07月10日
日経メディカル オンライン・Hot News 2006/07/10
審良静男大阪大微生物病研究所教授らが米科学誌ネイチャー・イムノロジー(電子版)に10日、発表した研究によれば、口から入る病原菌を感知し、異物を攻撃する免疫反応を活性化させる細胞が小腸にあることを突き止めたとという。
・活性酸素で加齢黄斑変性 ― 2006年07月11日
日経メディカル オンライン・Hot News 2006/07/11
慶応大の坪田一男教授(眼科学)らが11日、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表したところによれば、失明の主因とされる加齢黄斑変性の原因は活性酸素とするマウスでの実験で裏付けた。
・メタボリック症候群:ウエスト基準に異論 ― 2006年07月11日
毎日新聞・ 暮らし ・ 健康 2006/07/11
筋梗塞や脳卒中になる危険が高いとされる「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の診断基準の一つである、ウエストサイズに異論が続出。国内の基準は「男性85cm以上、女性90cm以上」だが、「女性は80cm以上とするのが適当」「男性は逆に、基準をゆるめる方向」との研究成果が相次いでいる。◇男性85cmは厳し過ぎ、女性90cmから80cmに
東京大の研究チームは、00~01年に新潟県新発田市で集めた692人のデータを解析。血圧、血糖値など二つ以上の検査値が基準を上回ったり、高血圧などの病歴を持つ人のウエストは、「男性85cm以上、女性80cm以上」だった。
また九州大の研究チームが、福岡県久山町の2452人分の健康データを解析したものでも、女性は80cmを境に、心筋梗塞などの発症リスクが1.6倍に高まっていた。
さらに札幌医大の患者420人のデータでは、血圧などの数値が二つ以上高い人の割合は男性83.7cm、女性80.8cmで急増。
九州大では、男性の基準について90cmを境に、心血管病の発症リスクが高くなる研究をまとめている。
・生活習慣病防ぐには… 厚労省が運動量の目安まとめる ― 2006年07月12日
厚生労働省の運動指針小委員会が、生活習慣病の予防に必要な1週間の運動量の目安を示した指針「エクササイズガイド2006」を、15日までにまとめた、19日に開かれる同省検討会に報告する。
スポーツだけでなく、日常生活での活動も対象にして、内容ごとに具体的な時間をあげて、運動習慣のない人でも活用できるのが特徴。メタボリック症候群の人向けに、目安とされる腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)を1cm細くするのに必要なエネルギー消費量を「7000kcal」と設定。自分の腹囲を基準値以下にするために、1日にどれだけエネルギーを消費すればいいか分かるように示した。
・たばこの毒、細胞内ではダイオキシン並み 山梨大研究 ― 2006年07月13日
山梨大医学工学総合研究部の北村正敬教授(分子情報伝達学)らが、米学術誌「キャンサー・リサーチ」15日号に発表したところによれば、たばこを吸うと、猛毒ダイオキシンが大量に体内に入った時と同じ反応が細胞内で起こるという。ダイオキシンが体内に入ると細胞にある受容体(カギ穴)にカギが入るように結びつき細胞を活性化させて毒性を発揮する。
国が定めているダイオキシンの1日の許容量は、体重1kg当たり4pgだが、市販されているたばこ1本分の煙を溶かした液体を使い、マウスを使い反応を調べたところ、国の基準の164~656倍のダイオキシンが受容体に結びついた状態に当たる活性がみられ、タール量が多いと活性も高くなる傾向が出たという。
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